前年同期比で13.5%減
テスラ、2期連続で納車台数が減少。サイバートラックは最終的な販売計画の1割に留まる

7月2日、テスラは2025年第2四半期の生産および納入実績を発表し、38万4122台の電気自動車を納入したと述べた。これは前年同期の44万4000台に対して13.5%の減少となる。
テスラCEOであるイーロン・マスク氏は、昨年の米大統領選挙および新政権発足後の政府効率化省(DOGE)での活動、さらにはドイツをはじめとする欧州の国々への内政干渉的発言などが相次ぎ、電気自動車の主な購買層となる人々から批判的な反応が、米国内外のテスラディーラー前でのデモや、不買運動といった抗議運動「Tesla Takedown」を呼び起こした。
その結果、テスラはブランドイメージの毀損と競争激化に見舞われ、その需要は大幅に減速し、2025年第1四半期の業績は期待を大きく下回る結果に終わっていた。
第1四半期の低迷理由について、テスラはModel Yのマイナーチェンジを見越した買い控えなどによる販売の停滞を理由に挙げていた。だがそれは、第2四半期では理由にはならない。すでに新型Model Yの生産は順調であり、第2四半期の全車種合計生産台数は第1四半期の36万2000台から41万台へと大幅に増加しているからだ。
奇抜なデザインで知られるピックアップトラック、Cybertruckの販売も芳しくない。発表された情報から、第2四半期のCybertruckの販売台数は約5000台と見込まれる。テスラはCybertruckの年間生産能力を年間25万台以上に設定して設備建設を進めているが、現在の販売ペースは年間約2万台であり、目標の1割にも満たないことになる。
生産台数が増えたにもかかわらず、出荷は伸びていないため、第2四半期の生産台数は納入台数を約2万5000台上回り、在庫数ばかりが増えていく格好になっている。
テスラの苦境は電気自動車ばかりではない。家庭向けの据置蓄電設備事業はここしばらく、小規模ながらテスラに明るい兆しになっていたが、今回の発表では、こちらも据置型蓄電製品「Powerwall」と「Megapack」の導入が2四半期連続で減少したことが明らかになった。
納入した蓄電システムの総容量で換算すれば、第2四半期に設置した全蓄電容量は9.6GWh(ギガワット時)だが、これは第1四半期の10.4GWhから0.8GWhの減少だった。
販売納車台数の減少は良い話ではないものの、これらの業績はウォール街の予想とほぼ一致するものであり、もっと悪い予想をする向きもあったことを考えると、決してショッキングなものではない。だが、需要が大幅に落ち込む中で、納入台数より5万台も多く生産している現状は、テスラとってなにも良いことではない。
- Source: Electrek(1) (2) TechCrunch CNBC