「真のハイエンド」と予告しつつもSnapdragon 8s Gen 4搭載

「Nothing Phone (3)」正式発表。新たな背面表示「Glyph Matrix」搭載、前モデルより大幅値上げか

多根清史

Image:Nothing

英Nothingは7月2日未明、同社初の “真のフラッグシップ・スマートフォン” として「Phone (3)」を正式に発表した。記事執筆時点では、日本展開はアナウンスされていない。米国での価格は799ドルからで、7月4日より予約を開始し、7月15日に発売される予定だ。カラーはブラックとホワイトの2色が用意される。

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主なスペックおよびソフトウェアは以下の通りである。

  • プロセッサ:Snapdragon 8s Gen 4
  • RAM:12GBまたは16GB
  • ストレージ:256GBまたは512GB
  • ディスプレイ:6.67インチ AMOLED(2800×1260、1.5K解像度、120Hz、最大4500ニト、前面はGorilla Glass 7i、背面はVictus)
  • バッテリー:シリコンカーバイド技術採用、5150mAh(インド版は5500mAh)、65W急速充電(USB-C)、15Wワイヤレス充電(Qi2非対応)
  • OS:Android 15+Nothing OS 3.5
  • 5年間のAndroidメジャーアップデート保証、7年間のセキュリティアップデート
  • 新機能:AIによるリアル録音の要約「Flip to Record」、端末内検索と外部・AI検索を統合した「Smart Search」、新しい背面表示「Glyph Matrix」(後述)

このうちSnapdragon 8s Gen 4の搭載は、Nothingがティザー段階で予告していた。同社のカール・ペイCEOは、前モデル「Nothing Phone (2)」(Snapdragon 8+ Gen 1搭載)と比較して、CPUが36%、GPUが88%、NPUが60%高速化されたと説明している

ただし、Galaxy S25シリーズなどに採用された、ハイエンドのSnapdragon 8 Eliteとの性能差は大きく、ユーザーからは賛否の声も出ている。

今回とくに注目すべきは、従来の背面ライト「Glyphインターフェース」に代わり、ドットマトリクスディスプレイで構成された「Glyph Matrix」を搭載した点である。

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Glyph Matrixには、時刻などの情報表示に加えて、ミニアプリ「Toys」を表示できる仕組みがあり、背面には操作用のタッチセンサーエリアも用意されている。Nothingはすでにコミュニティと共同で開発した「Magic 8 Ball」や「Leveler」といったToysアプリを紹介しており、今後も開発者が自由にミニアプリを追加できるようAPIを公開している。

カメラについては、4つの50MPセンサー(メイン、3倍望遠/マクロ兼用、超広角、フロント)を搭載。全カメラで4K/60fpsの動画撮影に対応している。

日本での価格は現時点で未定だが、米国での開始価格799ドル(約11万5000円、7月2日現在)を考えると、税込7万9800円だったNothing Phone (2)から、大幅な値上げとなる可能性が高い。

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