小型で設置しやすい&狭い空間に入り込める

これを待ってた! 小さくても全部入り、エコバックスの注目ロボット掃除機「DEEBOT mini」レビュー

安蔵靖志

「DEEBOT mini」(直販価格59,330円・税込)

人気ロボット掃除機メーカーのエコバックス(ECOVACS)から、ブランド史上最小の全自動ロボット掃除機「DEEBOT mini」が登場した。

一般的なロボット掃除機は直径34cm前後なのに対し、DEEBOT miniは直径28.6cmの小型サイズを実現。充電や自動ゴミ収集、水拭きモップへの給水・洗浄・乾燥・自動排水まで自動で行う「OMNIステーション」まで小型化したモデルだ。

はたして小型化によるメリットや使い勝手はどうなのか。実際に使用してレポートしていきたい。

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かわいらしいフォルムのOMNIステーションはコンパクトで圧迫感なし

本体だけでなくOMNIステーションもコンパクトだ。OMNIステーション上部に給水タンクと排水タンクを搭載。半透明なので水の量が分かりやすい

まず驚くのがそのサイズだ。一般的なロボット掃除機は直径34cm前後であり、以前にレビューした「DEEBOT T50 OMNI」の場合は直径35cmを超える。それに対してDEEBOT miniは直径28.6cmに抑えられている。

OMNIステーションも幅32cm×奥行き40cm×高さ38.5cmとコンパクトだ。筆者の狭い自宅のリビングに設置しても、DEEBOT miniなら圧迫感があまりない。

従来のDEEBOTシリーズのOMNIステーションは比較的スクエアなフォルムなのに対し、DEEBOT miniは全体的に丸みを帯びたフォルムになっており、かわいらしい印象を受ける。

水タンクを背面側から見たところ。中央部分が排水タンクで、給水タンクには左側面(写真右側)のフタから給水するようになっている
OMNIステーション前面にゴミを収集する紙パックが収納されている

水タンクのカラーが選べる点もユニークだ。カラーバリエーションはミッドナイトブラック(黒)、ディープサファイア(青)、エメラルドモス(緑)、ブロッサムピンク(ピンク)の4色だが、サンシャインゴールド(オレンジ)、アメジストヴェール(紫)の水タンクも別売(直販価格6999円・税込)で用意している。

アップルが1999年に発売し、スケルトンデザインとカラーバリエーションで一世風靡した「iMac」をほうふつさせる遊び心が楽しい。

標準カラーとして4色を用意する

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小型の本体で狭い場所もすいすい掃除

DEEBOT miniの魅力は設置スペースがコンパクトなだけでなく、本体サイズが小さいことで狭い空間に入り込める点にある。

コンパクトサイズを実現したDEEBOT miniの本体

例えば筆者宅で使っているダイニングテーブルのイスの場合、脚と脚の間は約40cmあいている。通常のロボット掃除機でも十分入るスペースだが、イスをテーブルに収納すると30cm程度になってしまう。

直径30cmを切るDEEBOT miniだからこそ、この狭い空間に入り込んですいすいと掃除ができるというわけだ。

コンパクトなDEEBOT miniは、ダイニングテーブルの下などの狭い空間でもすいすいと掃除してくれる

デメリットがあるとすれば、通常のロボット掃除機よりも吸引口が狭いため、1回の掃除に時間がかかってしまうことだろうか。

ロボット掃除機は吸引口の幅に合わせて少しずつ横にずれながら規則的に掃除を進めていくため、吸引口の幅が広いほど1回の動きで床を幅広く掃除できる。

吸引口が比較的狭いDEEBOT miniの場合、その点においては不利だが、特に掃除に時間がかかるという印象は持たなかった。

吸引口は幅約10.5cmと、通常のロボット掃除機に比べると少し狭い

エコバックスジャパンによると、コンパクトサイズを実現したことで狭小空間の掃除に対応し、そのカバー率は約89%に上るという。

通常のロボット掃除機よりも時間はかかるかもしれないが、それよりも設置スペースがコンパクトで狭い空間にも入り込めるというのが個人的にはかなり魅力的に感じた。

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パワフルな8000Paの吸引力ながら動作音は静か

本体ボタンもしくはスマホ向け「ECOVACS HOME」アプリ(Android/iOS対応)で「(全体清掃)開始」ボタンを押すことで掃除をスタートする。

清掃設定は「吸引のみ」、「水拭き」、「吸引とモップがけ」の3種類から選べる。吸引力や水拭き水量は3段階で選べるほか、清掃速度は標準と高速を選べる。

ECOVACS HOMEアプリの画面。「開始」ボタンを押すと掃除をスタートする(左)、起動画面の下部を上にスワイプすると掃除方法をカスタマイズできる(右)

DEEBOT miniの吸引力は8000Paだ。上位モデル「DEEBOT T50 OMNI」の1万5000Paには及ばないものの、コンパクトモデルとしては圧倒的な吸引力だ。

しかし吸引力が強いわりには、動作音は静かだ。ブラシレスDCモーターや駆動方法の工夫、防音構造などのノイズ低減設計を採用することで、運転音は約55dB程度に抑えられているという。

DEEBOT miniが掃除しているところ

吸引口のメインブラシは45°のV字型ブラシで浮かせた毛をV字型スパイラルブラシで中央に集め、V字型コームがからまりを解消するトリプルV字型構造の「ZeroTangle 2.0」を搭載している。試しにウィッグを使って掃除してみたが、きれいに毛を吸引してくれた。

トリプルV字型構造の「ZeroTangle 2.0」によって、ウィッグをからませることなく吸引してくれた

掃除が完了すると、ダストケースにたまったゴミをOMNIステーションの紙パックに収集してから回転モップを洗浄し、約45℃の温風で乾燥してくれる。

通常の乾燥時間は約3時間だが、ECOVACS HOMEアプリの「ステーション設定」画面で2時間と4時間にカスタマイズすることもできる。ゴミを自動収集する頻度や、モップを自動洗浄する頻度などもカスタマイズできるので、しばらく使ってみてから自分好みにカスタマイズしてみるのも手だ。

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マルチフロアマップに対応し、持ち運びもラクラク

DEEBOT miniは通常のロボット掃除機と同様に、複数のマップを保存して切り替えられる「マルチフロアマップ」にも対応しており、2階建てや3階建てなどの戸建て住宅でも安心して使える。

複数のマップを切り替えられる「マルチフロアマップ」に対応する

最初にマッピングするときだけOMNIステーションをマッピングするフロアに設置する必要があるものの、マッピングが完了した後はDEEBOT mini本体を掃除したいフロアに持っていくだけで掃除できるようになる。

DEEBOT miniはそのデザインとカラーバリエーションの豊富さに加えて、持ち運び用のハンドルが付いているのもユニークなところだ。通常のロボット掃除機は両手で抱えるように持つ必要があるが、DEEBOT miniは天面にあるハンドルを引っ張り上げて片手で楽に持ち運べる。

天面のハンドルを引っ張り上げると片手で楽に持ち運べる

DEEBOT miniを実際に使ってみて感じたのは、1LDKや2LDKなど、1人暮らしや夫婦2人暮らしなどの比較的狭い家でも快適に使えるということだ。

もちろん、吸引+水拭き掃除に加えて自動ゴミ収集、水拭きモップへの給水・洗浄・乾燥・自動排水まで自動で行ってくれる “全部入り” タイプなので、3LDKや4LDKなどファミリーでも存分に活躍するはずだ。

しかし直径28.5cmのコンパクトサイズで小回りがきくことや、OMNIステーションの省設置スペースな点は、多機能・高機能ながら全体的に大きい上位モデルにもない大きな魅力だと改めて感じる。実勢価格で6万円を切る値頃感もさらに魅力だ。

お手入れは1〜2か月に1回程度のゴミ捨てと、排水タンクにたまった汚水を捨てて給水タンクに水を入れるだけで済む。「ロボット掃除機は欲しいけど、お高いんでしょう? 手入れも面倒なんでしょう?」と思っている人にこそ、ぜひおすすめしたい製品だ。

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(提供:エコバックスジャパン株式会社)

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