Androidハイエンドスマホは性能とバッテリー容量ともに向上?
iPhone 17のA19 Proチップ、性能よりバッテリー持ち優先か

iPhoneに搭載されるAシリーズチップは、これまで競合他社製品に対して優位を保ってきたが、近年ではその差が縮まりつつある。特にクアルコムのSnapdragonチップはOryonコアを採用してから改善が目覚ましく、現行のSnapdragon 8 EliteはA18 Proと比べてシングルコア性能では劣るものの、マルチコア性能では(コア数が多いこともあり)約10〜20%上回っている。
このような状況のなかで、次世代チップ「A19 Pro」は、「Snapdragon 8 Elite 2」など次期Android向けハイエンド製品と比較して性能面では劣るが、電力効率を重視する方針へと転換しているとの噂が報じられている。
この情報は中国のリーカー、定焦数码(Fixed Focus Digital)氏がWeiboで述べたものだ。投稿では「A19」と記されているが、文脈から判断してハイエンドモデル向けの「A19 Pro」の複数バリエーションを指していると考えられる。
同氏によれば、A19 Proはベンチマーク上の数値ではSnapdragon 8 Elite 2に及ばないものの、実質的な使用感では同等かそれ以上となる可能性があるという。特に「IPC(Instructions Per Cycle:1クロックあたりに実行できる命令数)」および電力効率の高さがA19 Proの強みとされている。
IPCとは、同じクロック数でもより多くの命令を実行できる能力を示す指標である。かつてはクロック周波数の向上が性能向上の主な手段だったが、近年では物理的および電気的制約から大幅なクロック引き上げが困難となっており、IPCがCPUの実効性能を左右する要素となっている。
要するに、アップルはiPhone 17シリーズにおいて、A19/A19 Proでベンチマークスコアのトップを目指すよりも、電力効率の向上によるバッテリー持ちの改善やユーザー体験の質を優先していると見られる。
今月初めには、A19 Proのシングルコア性能がM4チップに匹敵し、マルチコア性能は控えめになるとの噂が報じられていた。その後、Snapdragon 8 Elite 2がシングルコア性能でA19 Proと同等、マルチコア性能では大きく上回るというリークもあった。さらに、MediaTekの次期チップ「Dimensity 9500」も、マルチコア性能でA19 Proを上回ると伝えられている。
これら3種のチップはいずれも、TSMCの第3世代3nmプロセス「N3P」で製造されると見られている。SnapdragonとDimensityはパフォーマンス向上を最優先している一方で、消費電力が増加している可能性もある。もっとも、両者を採用するスマートフォンメーカーの中には、シリコンカーボンバッテリー技術を導入することで、本体の厚みを抑えつつバッテリー容量を増加させる例も増えているようだ。
一方、アップルはこの技術の採用を先送りして、超薄型の「iPhone 17 Air」にはわずか2800mAhの小容量バッテリーを搭載すると予想されている。その代わりに、iOS 26で導入される新機能「Adaptive Power」によって、ソフトウェア面で電力消費の最適化を図るようだ。