tvOSは10年ぶりのリニューアルに
アップル、watchOSとtvOSのデザインも全面刷新? 6月のWWDCで発表か

アップルは、6月9日に開催されるWWDC(世界開発者会議)にて、次期watchOS、tvOS、visionOSの大幅なデザイン刷新を発表する予定であるとBloombergが報じている。
同社がiOS 19やiPadOS 19、macOS 16の外観デザインを大規模に再設計するとの噂は、すでに何度か伝えられてきた。しかし、アップルの野心はそれにとどまらず、主要な全OSにまで拡大しているようだ。
アップルの内情に詳しいMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号にて、tvOSとwatchOSも「より人気のある兄弟と同じように再設計される」と述べている。つまり、iOS 19で予想されているモダンな新デザイン言語がApple WatchやApple TVにも導入され、OS間での一貫性と統一性が追求されるということである。
ここで言うデザイン刷新とは、具体的にはvisionOSのような透明感やガラス調の素材感、アプリ内のナビゲーション構造の変更、丸みを帯びたアイコンやボタンの採用などを指すと見られている。
こうした変更は、WWDCのアートワーク(タイトル画像)にも間接的に示唆されている。Apple Park(アップル本社)内に設置されたレインボーステージをガラス素材で再現したような3Dアイコンが使われており、アップルが今後、こうした透明感をすべてのOSに導入していくことを予感させる。
特にApple TV向けのtvOSは、2015年の登場以来ほとんど手が加えられておらず、現行のiOSやmacOSなどと比べてデザインの一貫性に欠けていた。しかし今回の刷新によって、他のOSとのビジュアル的な統一が図られる見通しである。一方で、visionOS自体も他のOSと調和を取るために、わずかながらデザインの調整が行われるという。
これら一連の変更は、アップルのOS群においては2013年のiOS 7以来、最大規模のビジュアル刷新となる可能性がある。ただし、ユーザーインターフェース(UI)の大幅な変更はユーザーの反発を招くリスクも伴う。実際、他の多くのスマートフォンメーカーはUIを大きく変えることなく、主にAI機能の強化に注力する傾向にある。
こうした方向性の違いは、リニューアル版SiriやApple Intelligenceの開発が遅れている現状とも無関係ではないだろう。