SiriとApple Intelligenceの遅れに引きずられた模様

アップルの“iPad付き”スマートスピーカー、2025年末登場? その1〜2年後に自走ロボット発売の可能性

多根清史

Image:Hadrian/Shutterstock.com

アップルは長年、HomePodにiPadのような画面を付けたスマートホーム製品、いわば「HomePad」を開発していると噂されてきた。この製品が2025年末までに発売される可能性があると、米Bloombergが報じている。

同社の未発表製品に詳しいMark Gurman記者によると、「早ければ今年(2025年)末までに市場に投入される」とのことだ。以前Gurman氏は、もともと同社は2025年3月に発売する予定だったが、「消費者に届くまでにさらに時間がかかる可能性がある」と述べていた

これまでの噂話をまとめると、HomePadの予想仕様は次の通りだ。

  • 7インチの正方形ディスプレイと厚めのベゼル
  • 上部にはFaceTimeカメラを搭載
  • 充電式内蔵バッテリー
  • 新たなOS「homeOS」
  • FaceTimeなどのビデオ通話アプリに重点を置いた設計
  • 多くのアップル純正アプリに対応
  • スマートホーム機器の簡単操作
  • Apple Intelligenceによる高度な音声操作や自動化

本製品の発売が大幅に遅れた最大の理由は、アップルのAI戦略の失敗だとみられている。HomePadは刷新されたSiriやApple Intelligenceに大きく依存しており、どちらもiOS 18.4で実現するはずだったが、技術的課題で先送りとなった。アップル自らが、「パーソナライズされたSiri」の提供を2026年まで延期すると公式に発表済みだ

今年初め、アップルは一部の従業員を対象に、HomePadを自宅に持ち帰って試用できる内部テストプログラムを開始したという。だが、それでもリニューアル版Siriありきの製品のため、発売は2026年まで延期されることもあり得るとGurman氏は述べていた

こうしたHomePodに加えて、アップルは自走するロボットアーム付きのスマートホームディスプレイも開発中であり、「独自のAIパーソナリティ」を搭載予定とのこと。ただし、こちらも遅れており、発売はHomePadの1〜2年後となる見通しだ。発売を急ぐため、初期モデルでは先進的な機能の一部を省略する可能性もあるという。

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