すべての席が急速充電対応
“Anker初のカフェ”先行体験レポート。「Anker Store & Cafe 汐留」に行ってきた

充電器やワイヤレスイヤホンなどで知られるAnker(アンカー)が、新たにカフェを5月24日にオープンする。場所は東京都港区にある商業施設「カレッタ汐留」の地下2階だ。今回、1号店である「Anker Store & Cafe 汐留」のオープンに先がけて、報道陣向けに内部が公開されたので紹介したい。
Anker Store & Cafe 汐留がオープンするカレッタ汐留は、「電通四季劇場[海]」をはじめ、さまざまな飲食店やショップが入居する複合商業施設だ。公共交通機関では、JR新橋駅、東京メトロ銀座線の新橋駅、都営大江戸線の汐留駅、ゆりかもめの新橋駅や汐留駅から歩いてアクセスできる。
地下2階部分ではあるが、地上まで吹き抜けとなっている地下広場に面しているため、外からも店舗がわかりやすい。また吹き抜けは地下通路につながっているため、各種鉄道からのアクセスも良好だ。

店内はカフェスペースに加えて、Ankerの各種製品が購入できるAnker Storeも併設されている。Anker Storeの製品もカフェのレジカウンターで購入するというのは、本店舗ならではの少し面白いポイントだ。決済方法は、クレジットカード(タッチ決済も可能)、交通系ICカード、QUICPayやiDなどの非接触型決済、PayPayなどのQRコード決済などに対応する。
なお、こちらのAnker Storeで販売されているのは、USB急速充電器やモバイルバッテリーといった充電関連、およびSoundcoreブランドのイヤホンやヘッドホンが中心。NebulaのプロジェクターやEufyの防犯カメラなどは数製品しか置かれていないなど、ビジネスマンの多い汐留に合わせたラインナップが厳選されている。店舗で使われているオリジナルマグカップも購入できるようだ。

続いてカフェ部分について。本店舗の大きな特徴が、すべての席がデバイスの急速充電に対応しているという点。具体的には、USB-Cケーブル、Lightningケーブル、Qi2対応のワイヤレス充電器をどの席でも利用できる。ケーブルは磁石で側面に固定されている。

店内には55の座席があり、カウンター席をはじめ、2人がけや4人がけのテーブル席も用意されている。そのすべての座席に、上記の充電ケーブルやワイヤレス充電器が設置されている。これらテーブルは、同社がオリジナルで設計したものだそうだ。ワイヤレス充電器は上記の通りQi2対応のため、MagSafe対応のiPhoneを乗せると磁石で位置が固定されるのが面白い。またGoogle Pixelなど、Qi対応のデバイスもワイヤレスで問題なく充電が行える。


各席に用意されている2本の充電ケーブルは合計最大65Wの出力に対応している。2本を同時充電した場合は、USB-Cケーブルが45W、Lightningケーブルが20Wの出力になるという。もちろん、これらケーブルはAnker製品だ。そしてQi2の方は、対応のデバイスであれば最大15Wで充電できる。

細かい話だが、カウンターの下に潜ってみたところ、おそらく「Anker PowerPort III 2-Port 65W」と思われる充電器が取り付けられていた。Qi2充電器はケースの中に収納されていたが、担当者によるとAnker製品であるとのこと。どちらも壊れた際や、ユーザーの要望に応じて更新する際などに、取り外して交換できるようになっているという。

カフェの座席のほかに個室が設置されており、1人用の個室が3つ、4人用の個室を予約して利用できる。1人用の個室は15分あたり160円で、4人用の個室は15分あたり480円。4人用の個室にはテレビのほか、Anker製品のスピーカーやウェブカメラなども置かれている。1人用の個室にも、Soundcoreのヘッドホンがあり、こちらも利用者は自由に使って良いそうだ。


ドリンクについては、コーヒーや紅茶(アールグレイ)をはじめ、ノンカフェインの「森いちごのルイボスティー」、抹茶ラテ、ロイヤルミルクティー、コーラ、ジンジャエール、100%オレンジジュースなど、各種取り揃えられている。アルコールも用意されており、「Anker 休息充電エール」や「Anker ブルーレモンサワー」といったオリジナルのものも用意する。


フードメニューでは、チキンカレーやバターチキンカレー、ハムサンドとエッグサンド、ライスヌードル、プロテインプレート、そしてバーメニューとして、おつまみのハムやミックスナッツも用意されている。いずれも単品で1000円を超えないところも特長だ。加えて、フードメニューはドリンクとセットで100円の値引きにも対応する。ほか、レジ横にあるショーケースにはケーキも用意されている。


プレオープンでは試食を行うことができたので、記者はチキンカレーと抹茶ラテを頼んでみた。チキンカレーはスパイスを含めて同社がこだわったとしており、鶏肉もゴロっと入っている。辛口と書いてあるが、あまり辛さは感じることなかった。

抹茶ラテについては、埼玉県・狭山の抹茶を使用しているそうだ。メニューには書かれていないが、シロップを使っていないことが大きな特徴で、甘さがほしい方はガムシロップを入れるように説明された。せっかくなのでそのまま飲んでみたが、抹茶の味も濃厚で飲み応えがある。甘さが苦手な方にも良さそうだ。
メニューには細かく書かれていないものの、抹茶ラテのようにこだわったメニューも多いそうだ。担当者に話を聞いてみたが、コーヒーはフェアトレードのものを使用していること、ロイヤルミルクティーは茶葉から煮出して作っていることなど、「料理でがっかりしてほしくない」という思いで、かなりこだわりをもってメニュー開発したという。
また、プロテインプレートは同社代表取締役CEOの猿渡歩氏が筋トレ好きであることから考案されたメニューで、タンパク質が33g含まれているという。当初はプロテイン33gプレートという名前だったが、マニアックすぎるのではと変更されたという裏話も伺うことができた。会場にはハムサンドとエッグサンドの実物も置いてあったが、写真よりも大きくボリュームがあるなど、全体的に良心的な価格設定だと記者は感じた。


そのほか、天井には防犯カメラとしてEufyのカメラが設置されていたり、壁にはNabulaのプロジェクターで映像が投影されているなど、Anker製品を活用しているのもファンとしては興味深いポイント。店内にはロボット掃除機「Eufy Robot Vacuum Omni S1 Pro」も置かれており、営業終了後にこちらで掃除しているとの説明書きが貼られていた。


前日に実施された発表会でも猿渡氏が言及していたが、カフェでは作業など充電に対するニーズは多いものの、そこに向き合って作られた店舗はほとんどない。ただ充電ができるだけでなく、しっかりと急速充電が行えるなど、Ankerらしさのあふれる店舗だと感じた。もちろんカフェとして考えても居心地の良い空間だと思えたので、近くに来た際は、ぜひ足を休めてみてはいかがだろうか。