選択と集中
“あとで読む”の「Pocket」が7月8日に終了。エクスポートは10月8日まで

Firefoxブラウザーの開発元Mozillaは、インターネット上の記事やページを一時的に保存してあとで参照するアプリおよびブラウザー拡張機能の「Pocket」の提供を、7月8日で終了すると発表した。
2007年に「Read It Later」として立ち上げられたPocketは、「あとで読む」アプリとして好評を博し、2012年のPocketへの改名を経て、2017年にMozillaに買収された。
Pocketは、与えられたURLのウェブページから広告を省いて読みやすいドキュメントに変換・保管しするサービスだ。近年のブラウザーには、ウェブページの本文のみを抽出して読みやすく表示する「リーダービュー」が備わっているが、Pocketの場合はいったん登録しておけば、ブラウザーでアクセスせずとも、また元のページが削除されても、まさに「あとから読む」ことができる。
Mozillaは「Pocketは、これまで何百万人もの人々が記事を保存し、読む価値のあるストーリーを見つけるのに役立ってきた」としつつ、Pocketの提供を終了する理由として「現代のブラウジング習慣により適したプロジェクトにリソースを集中」させていく旨を強調した。今後は「タブグループやブックマーク機能の強化などを提供することで、リーディングリストを簡単に管理できる機能を組み込みとして提供する」としている。
なお、Pocketで保存したページ(リスト、アーカイブ、お気に入り、メモ、ハイライト内のアイテムなど)は、10月8日までエクスポートできるとのこと。ヘヴィユーザーなら、早めにデータ保全はしておきたいところだ。
Pocketの終了とともに、MozillaはAmazonをはじめとする主要なショッピングサイトのレビュー信頼度を、AIを使って確認する「Review Checker」機能も6月10日で終了すると発表している。
Review Checkerは2023年にMozillaが買収したFakespotというレビュー分析サービスの機能をブラウザーに統合したもの。提供終了についてMozillaは「アイデアは共感を呼んだが、われわれが維持できるモデルには適合しなかった」と述べている。ちなみに、Fakespotの拡張機能、モバイルアプリ、ウェブサイトは7月1日で終了する。
- Source: Mozilla(1) (2)