ウェブだけで完結するXboxアプリストアは7月にオープン予定
マイクロソフト、Xboxモバイルストアの遅れをアップルの妨害と非難

マイクロソフトは、自社が進める「Xboxモバイルストア」の立ち上げが、アップルの妨害によって遅れていると公に非難した。Epic Gamesとアップルの訴訟に関連して、Epicを支持する法廷文書(アミカスブリーフ)を提出し、その中でアップルのApp StoreポリシーがXboxストアの展開を阻害していると主張している。
同社は2024年中にiOS向けXboxゲームストアを立ち上げる計画を明らかにしていた。しかし2025年現在、その計画はいまだ実現していない。
最近になって、今年7月にアップルやGoogleに対抗するモバイルゲーム向け「Xboxアプリストア」をローンチすると発表されたものの、これはアプリではなく、ウェブブラウザ経由で提供される形式である。マイクロソフトはその理由について「AppleやGoogleのような閉じたエコシステムに依存せず、すべてのデバイスや国で利用できる体験を提供するため」と説明している。
当初、マイクロソフトは既存のiOS/Android版Xboxアプリ内から直接ゲームを購入・ダウンロードできる仕組みを目指していた。しかしアップルのApp Store規制、さらにEpicとの訴訟の影響を受け、計画は長らく停滞していた。
Epicは訴訟で、iOSアプリ内に外部決済リンクを設けることを認めさせる判決を勝ち取り、『Fortnite』のApp Store復帰にも成功している。これによりマイクロソフトにも道が開かれたはずだが、アップルはこの判決の完全履行を先送りにするため、控訴審の判決が出るまでの一時的な執行停止を裁判所に求めている。
マイクロソフトは提出したアミカスブリーフの中で、仮にアップルが執行停止を勝ち取った場合、「控訴手続きが完了するまでにXboxモバイルストアを削除しなければならない可能性がある」との懸念を述べている。
つまり、アプリストアの立ち上げに膨大な時間・資金・労力を投入したとしても、すぐに撤退を迫られるリスクがあるというわけだ。
こうした背景から、マイクロソフトは裁判所に対し、「アップルが控訴中であっても、現時点の判決を完全に遵守すべきである」と強く訴えている。
なお、仮にマイクロソフトがEpicと同様に「モバイルアプリ内から公式サイトでの購入」を実現できたとしても、それが認められるのは米国に限られる可能性が高い。現状、App Storeのポリシー変更は米国内にのみ適用されているためである。一方、今回発表されたブラウザベースの「Xboxアプリストア」は、日本を含む全世界から利用可能になる見通しだ。
- Source: The Verge