遠隔操作用のリモコン「BECON」「JOYSTICK」も登場
8K対応の“折りたたみ”AI飛行カメラ「HOVERAir X1 PROMAX」日本上陸。4K対応「PRO」も

ZERO ZERO ROBOTICSは、カメラドローン「HOVERAir X1 PRO」および「HOVERAir X1 PROMAX」を5月27日に発売する。価格は基本セットの場合、X1 PROが79,980円、X1 PROMAXが109,980円。また、遠隔制御用のアクセサリー「BECON AND JOYSTICK BUNDLE」を35,980円で用意する(いずれも税込)。
コントローラー不要で飛ばせる “AI飛行カメラ” の新モデル。昨年春に発表した日本向けの99gモデル「HOVERAir X1 Smart」の上位モデルとして、両モデルとも、より高品質な映像や耐久性の高さなどを追求した。なお、米国では昨年10月に発表しており、年初にラスベガスで開催されたCES 2025でも実機が披露された。
X1シリーズの大きな特徴が、AIフライトモードによって、本体だけで各種撮影が手軽に行えること。カスタマイズ可能なフライトモードは12種類以上で、本体のディスプレイから選んで開始できる。たとえば自転車や各種スポーツで追尾撮影が可能な「フォローモード」、被写体の周囲を描く「オービットモード」、ドローンが被写体から遠ざかるように撮影する「ズームアウトモード」などを搭載。もちろん、スマートフォンのアプリを用いたマニュアル操作にも対応する。

X1 PROとX1 PROMAXの特長は基本的に共通だが、大きな違いといえるのがカメラだ。X1 PROMAXには1/1.3インチのCMOSセンサーを搭載し、107度の視野角をもつ絞りF2.55のレンズを採用する。一方でX1 PROは、1/2インチのセンサーとなり、視野角は少し狭い104度、絞りはF2.8と少しだけ暗くなっている。

カメラに違いによって記録できる解像度が異なっており、X1 PROMAXでは8K/30fps、X1 PROでは4K/60fpsの記録が可能。スローモーションについても、X1 PROMAXが4K/120fps、X1 PROが1080p/120fpsまで対応している。HDR(10bit HLG)については、X1 PROMAXのみで利用できる(最大4K/60fpsまで)。
本体は折りたたむことが可能で、この場合の外形寸法は105×149×34mm。バッテリーを含めた質量は192.5g(X1 PROMAX)となり、100gを超えてしまうため、飛行にあたっては機体登録が義務付けられている。申請に必要なリモートIDについては、接続したアプリ上から確認できるようになっている。

最大自動追従速度は42km/hで、最大飛行時間は16分。バッテリー容量は1,920mAhだが、ウィンタースポーツも想定して-20度でも使用できる「耐寒バッテリー」を採用している。最大離陸高度は5500mとなるが、航空法の規制にを考慮し、高度120mで自動的に止まるようになっているとのこと。
また、同時に発売される「BECON」および「JOYSTICK」(現状は2つのセットのみで発売)を使用することで、スマートフォンを使わずに遠隔操作が可能に。BECONには1.7インチのディスプレイとバッテリーが搭載されており、X1 PRO/PROMAXのカメラ映像をリアルタイムで表示できる。自転車用のパーツも用意され、自転車のハンドルへのBECON取り付けにも対応する。

BECONにはJOYSTICKを取り付けることで、X1 PRO/PROMAXをリモコン操作することが可能。ジャイロセンサーによって、手に持って傾けての操作も行える。JOYSTICKは1つ取り付けることで片手操作、BECONの左右に2つ取り付けることで両手持ち操作、というかたちに変化する。取り付けにはマグネットを採用。2つ取り付けた状態ではスマートフォンの取り付けにも対応する。

BECONとX1 PRO/PROMAXの通信距離は最大500mとなっている。なお、Androidデバイスでは最大200mまで、iOSデバイスは最大150mとのこと。余談だが、BECONは日本向け仕様となっており、2.4GHzのみに限定させる代わりに、より広い範囲の送信が可能になっているという。
発表会では、同社の創業者兼CEOであるMQ Wang氏が登壇。今回の新モデルは「飛行アクションカメラ」であり、日常仕様を想定していたX1 Smartとは違い、「プロ級の撮影が可能」であると紹介した。また製品ターゲットについて、X1 PROMAXは「プロのコンテンツクリエイター」、X1 PROは「スポーツを楽しむユーザー」を想定しているとのことだ。

すでに米国では販売を開始しているが、米国ではローンチ直後に全米スキー・スノーボード連盟の公式飛行カメラに採用されたり、今年4月には全米自転車連盟とも契約したという。プロスポーツ選手からの引き合いが強く、「世界中のプロスポーツ選手がHOVERAirを愛用して素晴らしい映像を撮影してくれている」とMQ Wang氏は話す。
そうした背景もあり、新モデルでは上述の通り、スノーボードやスキーなどウィンタースポーツ向けに耐寒バッテリーを採用。さらに別売アクセサリーとして、本体を入れながら充電できる、バッテリー内蔵の「PowerCase」も用意。充電2分あたり1分の飛行が行えることから、滑降した後にリフトで上がる時間で充電ができるそうだ。なお、このケースを併用することで最大で56分間の飛行が可能になるとのこと。

また、X1 PRO/PROMAXは本体のセンサーを強化したことで、「非常に過酷な地形でも撮影が可能」になる全地形型飛行モードを実現。水上や崖の上などの過酷な環境でも対応できるようになったという。ちなみにセンサー類はX1 PRO/PROMAXでほぼ同様だが、X1 PROMAXのみ後方用のセンサーとして、近接センサーに加えてビジョンベースのセンサーを搭載。X1 PROでは最大1.5m/sのところ、X1 PROMAXでは最大3m/sで衝突前にブレーキをかけられるようになっている。
MQ Wang氏はZERO ZERO ROBOTICSのカルチャーは「世界がこれまでに体験したことのない新しいイノベーションを続けること」だと説明。「より新しい進化したエキサイティングなデバイスを届けるために日々努力している」と話しており、今後もどのように進化させていくのか楽しみだ。