設定を開かずブラウザから変更できる

Chromeに「1クリックでWindows 11の既定ブラウザにする設定」追加へ

Image:Evan Lorne/Shutterstock.com

一時期のWindows 11では、デフォルトのウェブブラウザを変更することが至難の業となっていた。Windows 10では設定の「既定のアプリ」からブラウザを切り替えるだけで済んだが、11ではファイルまたはリンクの種類ごとに1つずつ変更する手間がかかっていたのだ。さらにマイクロソフト(以下、MS)がその抜け道さえ塞いだことは大きな反発を招き、そのためか後にかなり緩和されていた。

そして新たに、まもなくGoogle Chromeが1クリックでデフォルトブラウザに設定できる機能を追加する見通しが明らかとなった。

ふだんは群雄割拠しているウェブブラウザ各社も、MSが自社ブラウザEdgeのシェアを露骨に広げようとする(Windows 11最初の起動時に、設定を変え忘れた場合は自動的にEdgeがデフォルト)ことには一致団結し、MozillaやBrave、GoogleのChromeやAndroid責任者のHiroshi Lockheimer氏も「ユーザーから選択を奪うもの」と批判を浴びせていた

これを受けてMSも、Windows 10のシンプルな方式に戻した経緯がある。現在は「設定」>「既定のアプリ」から各ブラウザを選んで「(ブラウザ名)を既定ブラウザーにする」の右にある「既定値に設定」をクリックするだけとなっている。

しかしChrome Devチャンネルの最新バージョンでは、ブラウザ内に、Windowsのデフォルトブラウザ設定を変更できる機能が追加された。Windows 11の設定アプリを立ち上げることなく、ブラウザだけで操作が完結するのである。

この新機能は、先月末にChromium Gerritのコミットで初めて発見されたものだ。そこには「Chromeをデフォルトブラウザにする。この機能は、http、https、.htmlなどの一般的なブラウジングに関連するurlプロトコルやファイルの関連付けを調べ、それぞれに関連するレジストリエントリを直接設定することで動作する」と書かれていた。それから約2週間後、Chrome最新版でこの機能が実装されていることが確認されたしだいだ。

ただし、今のところ本機能はDevチャンネル、つまり開発者向けのテスト版のみに限られている。そちらのバージョンは106.0.5231.2であり、現在のChromeの安定版(一般ユーザー向け)はバージョン104.0.5112.81だ。

とはいえ、すべて順調に行けば、数週間のうちにすべての人が利用できるようになるはず。2022年8月16日現在でもChromeの世界シェアは圧倒的で(65.14%/Edgeは4.11%)、MSにとっては苦い譲歩を迫られたと言えそうだ。

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