アルトマンCEOはどんぶり勘定?

ChatGPT Proは月額200ドルでも赤字。「予想を上回る利用があるため」

Image:Koshiro K/Shutterstock

OpenAIのサム・アルトマンCEOは、月額200ドルの「ChatGPT Pro」プランが赤字を出していると明かしつつ、予想を上回る利用があるためだと述べている。

昨年12月、同社はChatGPT Proを提供開始した。既存の有料プランChatGPT Plusが月額20ドルであることと比べると、10倍もの利用料金はかなり高額だと思われた。だが、ProプランはChatGPTのみならず、o1、o1-mini、GPT-4o、Advanced VoiceやSoraなど、ほとんどすべての製品にアクセスできる大きなメリットがある。

月額200ドルにつき、アルトマン氏は「私は個人的に価格を設定し、多少の利益が出るだろうと考えていた」と語っている。実際、OpenAIは対象ユーザーを「研究者、技術者、その他学術研究グレードのインテリジェンスを毎日使用する個人」と説明しており、その域を超えて広範に使われることを想定していなかったのだろう。

同社が製品価格を「大体こんな感じ」と設定するのは、今回が初めてではない。アルトマン氏は最近、米Bloombergとのインタビューで、そもそもChatGPT Plusの料金設定も厳密な調査に基づいていないと語っていた。「20ドルと42ドルの2つの価格をテスト」したところ、42ドルは少し高すぎる、20ドルなら喜んで支払うという反応だったとのこと。そこで20ドルを選んだ次第であり、「誰かを雇って価格調査を行う」ことはしてないという。

OpenAIは創業以来、約200億ドルの資金を調達しているが、一度も利益を上げていない。昨年は37億ドルの収益に対して約50億ドルの損失を計上したとの報道もあり、同社は投資家向けに2029年までは利益は出ないと伝えている。

破竹の勢いに見えるOpenAIだが、人件費やオフィス賃料、AIトレーニングのインフラ等に莫大なコストを注ぎ込んでいる。ある時点では、1日当たり70万ドルもの費用が掛かっていたとの推定もある

もっかOpenAIは営利企業への転換を進めているが、黒字化のために様々な有料プランの値上げを検討しているといわれる。Plusプランを2025年内に月額20ドルから22ドル、2029年までに44ドルに引き上げるという具合だ。また上記のBloomberg取材で、アルトマン氏は特定のサービスにつき使用量ベースの価格設定を検討する可能性を示唆している。

その一方で、多くの人々が月額20ドルでさえ高すぎると考えていることが調査により明らかになっている。

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