通信復旧は28日の予定
過去最短距離の610万km。NASAのParker探査機が太陽に最接近
地球ではクリスマスムードが高まる中、NASAのParker探査機は、ミッションを通じて最も太陽に接近するフライバイを12月24日に実施した。
24日グリニッジ標準時11時53分(日本時間24日20時53分)、NASAのParker探査機は22回目の太陽へのフライバイを「予定どおり」行った。探査機はあと2回は太陽に接近観測を試みる予定だが、太陽から380万マイル(610万km)以内という、今回ほどの接近はもうない。
さらに言えば、この灼熱の接近飛行中にParker探査機の通信は途絶えており、グリニッジ標準時12月28日5時(日本時間28日14時)ごろに予定される通信復旧の状況を見て、探査機が無事かどうかを確認する予定だ。
Parker探査機はこれまでにもいくつかの記録を打ち立ててきている。2023年9月には飛行速度63万5266km/hを記録し「史上最速の人工物」の称号を得た。この記録は、今回のコロナへのダイブにより69万2000km/hにまで更新されたという。今回の速度には、金星へのフライバイを繰り返し、7度も重力ブーストを重ねて到達した。
とはいえ、Parker探査機の使命はそこではなく、あくまで太陽のコロナに関するデータを収集することだ。そして、本来なら太陽中心に近い分温度が高いはずの外層大気よりも、さらに外側にあるコロナの方が高温になっている「コロナ加熱」と呼ばれる現象の謎を解明するデータを収集できることが期待される。
Parkar探査機は今後、通信が回復して任務続行が可能なら、2025年3月22日と2025年6月19日に残り2回の接近飛行を行う予定だ。