グループは12月26日に創業40周年

日本上陸から22年、ハイアールが「第三の創業」宣言。ハイグレードモデルなど製品展開を強化へ

編集部:平山洸太

フォトセッションの様子。左から、乾修明氏(ハイアールジャパンセールス株式会社執行役員副社長)、杜鏡国氏(ハイアールグループ副総裁/ ハイアール日本地域CEO)、李華剛氏(ハイアールグループ上席副総裁/ ハイアールスマートホーム総裁)、西澤正城氏(アクア株式会社執行役員副社長)

ハイアールグループは、2025年の日本市場を「第三の創業」と位置付け、新たなブランディングを強化していくことを発表した。

ハイアールは、1984年に創業した中国の家電ブランドで、12月26日にグループ創業40周年を迎える。現在、世界200以上の国と地域に展開するグローバルブランドにまで成長しており、アメリカやニュージランドなど7つの国でトップシェアを獲得。ほか12の国ではトップ3、9つの国でトップ9の位置を占めているという。

日本市場には2002年に進出し、今年で22年になる。そして「第二の創業」としているのが、2012年に元三洋電機の「AQUA」ブランドを買収して展開したタイミング。高い付加価値のハイエンド製品を提供していくことで、ユーザーの信頼を得てきたという。そして2025年からは「第三の創業」として、新たな局面を迎えるとのこと。

同グループは日本において、「Haier」「AQUA」の2つのブランドを展開している。これまでの累計販売台数は3,000万台を突破しており、新型コロナウイルスの影響を受けつつも、2021年から2024年にかけて1.6倍の急成長を実現したとのこと。「コロナ禍でも消費者のニーズがある限り、1台の欠品も出さないように」(ハイアール日本地域CEO 杜鏡国氏)という思いで活動を続け、3年間で56機種の新製品を出してきたという。コインランドリー向けの洗濯機についても、シェア65%でナンバーワンの地位を獲得した。

日本でもシェアを拡大中

ハイアールでは海外進出の戦略として、3つのステップを定めているという。それが順番に、走出去(外に出る/国内から海外へ)、走進去(入り込む/ローカル化)、走上去(上昇する/ハイエンド化)というもの。日本市場では第二の創業として「地元のユーザーと地元に愛されるブランド」を目指してきたが、2025年は次のステップに進むタイミングだそうだ。

3つのステップを設定

同社は日本で、熊谷と京都にR&Dセンターを設立し、日本人に向けた製品開発を行っている。世界中に35か所の工事業団地、10か所の主要開発センターをもつグローバルリソースを活かしつつ、日本独自の視点で研究開発を行う体制を構築しているという。

熊谷R&Dセンター

上述の杜氏は、ネット時代に入ってからユーザーが望むものも変わっているなか、ハイアールは「デザインや機能が良い商品を出すだけでなく、ブランドの意味を考え、(何を目指すかなどの)統一的な価値観を全社員に共有して、ユーザーに伝えていかなければならない」と述べる。そしてシェアを伸ばすだけでは満足せず、「我々のことを理解できていないユーザーがまだいる」として、継続的な成長にはブランディングが重要であることを説いた。

来年2025年の売上目標についても発表し、ハイアールブランドでは、冷蔵庫のトータルの年間販売台数40万台以上を目指すという。日本市場に合わせて2024年に投入した3ドアが広く受け入れられたことから、グローバルでヒットした製品だけでなく、日本市場スタイルの5ドアも投入予定だそうだ。また冷凍庫ではトータル年間販売台数15万台以上を目指し、市場シェア1位を目指すとのこと。

洗濯機については、縦型の全自動40万台、ドラム式5万台のトータル45万台以上が目標。ドラム式を今後も強化していくとしている。続いてエアコンは10万台の早期実現を目指すと説明。2024年に一般的なセパレートタイプを初めて投入したが、2025年はハイグレードタイプを発売予定としており、ハイアールジャパン初のIoT家電になるという。ほか生活家電については、これまで中心だった新社会人向けの小型モデルだけでなく、ファミリー向けモデルも拡大していく予定とした。

洗濯機と乾燥機を別に用意することで、より大容量の乾燥が行えるという提案も引き続き行っていくという

AQUAブランドについては、2024年の新ラインナップを引き続き投入しつつ、新たなモデルも逐次追加予定。たとえば冷蔵庫については、今年立ち上げたAQUA Plusシリーズを拡張するとしており、そのうちFREEZIA+では自動製氷モデルも追加予定となっている。

深澤直人氏がデザインを手掛けた「TZ SERIES」も継続展開

ドラム式洗濯機については、業務用モデルのノウハウを用いてドラムを水平に配置した “まっ直ぐドラム” を、ラインナップや仕様を強化していきながら継続展開していく。縦型の洗濯機についても、「新しい提案商品」を2025年度は提案していくそうだ。

まっ直ぐドラム2.0シリーズ。12kgと10kgに加えて、8kgモデルも11月に追加した

またAQUAでは、業務用の洗濯機のトップシェア維持も大きな目標。現在は25,500店舗に導入されているが、今後は都市のコインランドリー等ではなく、マンション直結型や異業種との協業、地方への拡大を図っていきたいとした。

ちなみにハイアールでは、ブランドアンバサダーを務めるプロフィギュアスケーターの羽生結弦さんが出演する、12月24日放映開始の新CMも合わせて発表。ハイアールの「自分VS自分」篇、アクアの「終わらない挑戦」篇の2種類が用意され、ハイアールは青色の衣装、AQUAは白色の衣装でブランドを表現。ハイアールの方では、4回転トウループも見どころとなっている。羽生さんは本CMの出演にあたり、「心が暖かくなるなるような、生活が本当に豊かになること」を表現できるように頑張ったとコメントしている。

関連キーワード: