GoogleはEpicと別の訴訟も進行中

Epic Games、Googleとサムスン相手に訴訟起こす。独自アプリストア導入を妨害したと主張

Image:Samsung

Epic Gamesは、Androidデバイス向けのサードパーティによるアプリストアの導入を妨害したとして、Googleとサムスンに対して訴訟を起こした。

この訴訟においてEpicは、8月16日にEpicがAndroid版Epic Games Storeを全世界で開始したことに関し、その1か月ほど前に、サムスンがGoogleおよびサムスンのアプリストア以外からのアプリ導入をブロックするAuto Blocker機能を、デフォルトでオンにするよう設定を変更したと主張している。Auto Blockerは昨年10月にサムスンが同社のAndroidデバイスに導入した機能だ。

この変更によって、ユーザーは競合するアプリストアを導入する際に「非常に面倒な21ステップのプロセス」を経なければならず、途中で諦めてしまう可能性を高めたとEpicは主張している。

なお、Epicは訴訟では21ステップと述べているが、これは設定を変更してEpic Games Storeを導入完了するまでの詳細な手順についてものだ。同社サイトの別のページでは、Auto Blockerの解除方法をわずか4段階で解説している。

The Vergeは、手元のサムスン製スマートフォンで確認したところ、確かにAuto Blockerが有効化されており、Epic Games Storeをインストールしようとしたときに表示されるポップアップからAuto Blockerへ誘導する表示が消えていること、ユニバーサル検索バーから「Auto Blockerをオフにする」方法を検索してもヒットしないことなどを伝えている。

また、検索ワードを「Auto Blocker」にした場合は結果がいくつか表示されるが、そこから実際にAuto Blockerをオフにするにはさらに数段階の手順が必要になる。

なお、Epicのティム・スウィーニーCEOは、訴訟に関してGoogleとサムスンが結託していたという確たる証拠はないことを認めている。ただ、訴訟のなかで行われる様々な情報開示のなかに、そのような問題が明らかになることを期待していると述べたという。

また、スウィーニー氏は訴訟を起こす前に、サムスンに対しAuto Blockerをデフォルトでオフにするか、安全なアプリならブロックを回避できる「ホワイトリスト」機能を用意するよう個人的に依頼したという。だが、ホワイトリストの仕組みに関してサムスンと合意できなかったため、Epicは法的措置を取ることにしたのだと述べた。

Googleはサードパーティのアプリストア導入に関して、サムスンと共謀したとの話を否定している。GoogleのAndroidセキュリティに関する責任者であるDave Kleidermacher氏は「Googleはサムスンに自動ブロック機能の作成を依頼していない」と声明で述べている。

サムスンは、Auto Blockerをユーザーに知られないようにオンにしたわけではなく、初期設定ウィザードでこれをオンにするか否かをユーザーに選択させていると述べた。たしかに、初期設定はオンだが、ユーザーは設定時にオフにできるとのことだ。これはサムスンのサポートページにも記されている

サムスンがAuto Blockerをデフォルトでオンにしたことで、Epicが損害を被ったかどうかに関しては、まだ明らかではない。というのも、この設定変更を受けてから出荷されたサムスンの新製品は2機種しかない。

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