長時間の性能は冷却システムしだい

Snapdragon X EliteはアップルM3のマルチコア性能を凌駕。ただしシングルコアは劣る可能性

Image:Qualcomm

クアルコムのデスクトップPC向けチップ「Snapdragon X Elite」は、省電力性能やAI機能への最適化など、今後のWindows PCのカギを握る存在である。マイクロソフトも次期Surfaceシリーズに採用すると噂され、インテルの最新チップCore Ultraの性能を遙かに凌ぐとのベンチマーク結果も登場していた

そしてクアルコムは、Snapdragon X Eliteのマルチコア性能がアップルのM3チップより最大21%高速だと主張している。そんななか、少なくとも「M3のマルチコア性能を超える」ことを裏付けるベンチマーク結果が発見された。

人気ベンチマークアプリの投稿サイトGeeknbench Browserには、サムスンの未発表製品「Galaxy Book4 Edge」と識別子「Mac 15,13」=M3 15インチMacBook Airを比べる結果が出現。Galaxy Book4 EdgeはSnapdragon X Eliteを搭載するとWindows製品に詳しいWinfutureが報告していた

さてGeekbench 6によるテストでは、Snapdragon X Eliteのマルチコアスコアは13925、M3は12005。つまり前者が後者より16%速いことを示している。が、シングルコアではSnapdragon X EliteがM3の後塵を拝している結果となった。

以前クアルコムはリファレンスノートPCを2種類、TDP28W版の効率重視モデルと80Wの高性能モデルを披露していた。もしも消費電力に糸目を付けず、バッテリー持ちの短さや発熱を顧みなかった場合(大型ヒートシンクや冷却ファンを搭載するかもしれないが)21%超えは主張通りの可能性もある。

今回の「シングルコアで劣り、マルチコアで勝る」という結果は、Snapdragon X EliteのCPUコアが12個、M3が8個という数字とも整合性が取れている。要はCPUコア1つ当たりではおくれを取るが、数に任せてマルチコアでは勝ちに行くということだ。クアルコム側がシングルコア性能にあまり言及しないのも、その印象を強めている。

もっともGeekbench 6はシングルコア・マルチコアともに数秒の性能を測るに留まり、長時間にわたって安定した性能を発揮できると保証するものではない。実際、M3 MacBook Airはファンレス設計のため、ストレステストのもとではCPUの最高温度が摂氏114度に達し、同じチップを搭載しながら冷却ファンも積んだMacBook Proより33%遅くなるとの検証もある。

Snapdragon X Elite搭載PCも、冷却機構に重きを置けば、長時間運用ではM3 Macをシングルコア・マルチコア性能ともに超えることもあり得るだろう。

とはいえ、その分のコストは価格を押し上げる可能性もある。実際、上記のWinfutureはGalaxy Book4 Edge(RAM 16GB/SSD 512GB)が1800ユーロ(約29万円)前後だと伝えていた。

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