英国初の手術におけるVision Pro使用事例

英国で外科手術にApple Vision Pro活用。「人的ミスを排除」できると評価

Image:eXeX

英国・ロンドンにあるクロムウェル病院で、脊椎を固定する外科手術においてApple Vision Proを活用したことが報道されている。

この手術では、執刀医ではなく外科助手で手術室看護師のSuvi Verho氏がVision Proを使用して、事前に用意した手術の手順に従い、適切なタイミングで必要な手術器具を執刀医に渡す準備を行ったという。また、Verho氏は看護師は現実世界を見ながら、患者のバイタルなどの情報を表示するオーバーレイ表示を確認することができた。Vision Proの活用についてVerho氏は「これにより人的ミスが排除され、推測による作業が排除される」とその利点を語った。

Verho氏はVision Proを利用したのはこれが初めてだが、以前にはマイクロソフトのHoloLens 2を同様の目的で手術中に使用していた。VRヘッドセット向け医療ソフトウェアメーカー eXeXは、LinkedInの記事で手術にHoloLens 2とeXeXのソフトウェアを使用しているVerho氏がその使用感について称賛していることを紹介していた。

そしてVerho氏は今回、ヘッドセットをVision Proに変え、この技術が「人的ミスを排除」するのに役立ち、「自信を持って手術にのぞむことができる」とコメントした。なお、この技術の基盤となるAIソフトウェアは手術の各段階を記録し、将来的には他の外科医が行った同様の手術と比較して、その手術がどの程度うまくいったかを測定可能になる予定だという。

なお、Apple Vision Proを使った最初の外科手術は2月に米国フロリダ州で脳神経外科医のロバート・マッソン博士によって実施された。このときに使用されたソフトウェアもやはりeXeXのものだった。

ちなみに、アップルは3月11日、Vision Proを医療機関に導入することによるメリットを紹介するニュースリリースを発行している。この文書では、医療関連の業務、たとえば手術計画と教育、生産性とコラボレーション、行動保健およびウェルネスといった分野で、それぞれ活用可能なアプリケーションをとりあげており、この分野でのVision Pro導入のメリットを紹介している。

関連キーワード: