この時期に発表したのはCESから注目を奪うため?

Apple Vision Pro、度付きレンズの価格等も判明。米直営店では販売トレーニング中か

Image:Apple

アップルが空間コンピュータことMRヘッドセット「Apple Vision Pro」を米国で2月2日から発売すると発表したことは、既報の通りだ。記事執筆時点では、米国外での発売予定につき言及はなく、日本での発売時期も不明のままだ。

その一方で、発売日の公式リリースや、更新された製品ページには、発表時にはなかった追加情報が述べられている。以下、逐一確認していこう。

まず、基本ストレージ容量が256GBであることが初公開された。「ストレージ256GBで3499ドル(米国)から」とのことで、より上位の容量オプションがある可能性も仄めかしているが、それ以上の情報はない。

Vision Proはメガネが併用できず、視力矯正が必要な場合は別売りのZEISS製インサートレンズ を購入することになる。この価格は「ZEISS Optical Inserts – Readers」が99ドル(約1万4000円)、処方箋が必要な「ZEISS Optical Inserts – Prescription」が149ドル(約2万1000円)とのことだ。1枚当たりの価格だとすれば、両目あたり200ドル~300ドルは掛かるのかもしれない。

さらにバッテリー駆動時間も、「外付けバッテリー接続時には最大で2時間」という既出の情報に加えて「最大2.5時間のビデオ再生に対応」と追記 。これは「Apple TVアプリから購入した2D映画コンテンツを使用し、環境と連動してテスト」した数値とのことだ。

Vision Proは、一時は3月頃に発売との予想もあった。では、なぜ2月という早めの時期となったのか。これにつき、アップルの内部事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は興味深い考察をしていた

アップルによる公式発表の直前、Gurman氏は「発売が間近に迫っている」と的中させていた。その理由は「火曜日からラスベガスで始まるCESから注目を少しでも奪うため」と述べていた次第だ。

その記事によれば、すでに全米のアップル直営店から2~4人の従業員が「秘密の訓練」のためクパチーノの本社に出張。彼らはVision Proの売り方を学び、それぞれの店に戻って他の従業員に教える一方で、顧客が試用したり買うのを手助けする中心になるという。

また1月21日には、米国の全店舗で、全従業員を対象に3時間のミーティングが開催。その日や翌日以降もトレーニングが予定され、その後に店舗の受け入れ準備を整えるとの趣旨を述べている。

少なくとも日本では「CESから注目を奪う」狙いはあまり功を奏していない印象もあるが、米国外でのVision Pro発売時期が一日でも早く明かされることを期待したいところだ。

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