YouTubeが“広告ブロック禁止”を強化。ユーザーから反発の声も　

Munenori Taniguchi

@mu_taniguchi 2023/11/02 7:00

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最近、YouTubeで表示される広告の数が増えてきたと感じた人は多いかもしれない。なかには、広告ブロッカーなどを使用して広告表示をなくし、快適に動画視聴する環境を得ているユーザーもいる。

だがYouTubeは、そうしたユーザーに対して、広告ブロッカーを無効にするように求めるポップアップを少し前から開始。ポップアップ画面には「YouTubeが（広告ブロッカーの）許可リストに登録されるか、広告ブロッカーが無効にされない限り、ビデオ再生はブロックされます」との通知画面が現れるようになった。

メッセージが表示され始めた頃は、それを閉じるだけで簡単に無視できた。YouTubeはその後、メッセージの確認を強制するようにしたが、それでも一定時間後にそれを回避可能にしておいた。しかし現在、YouTubeはユーザーに対して、プラットフォーム側の意向に従わなければポップアップ表示のとおり、動画視聴ができなくなる模様だ。

YouTubeは、有料だが広告表示がないYouTube Premiumをユーザーに提供している。月額料金を支払うことで、広告のない快適な動画視聴が手に入るわけだ。一方、無料でもYouTubeの動画視聴はできる。この場合は、当然ながら広告が表示され、ユーザーがそれを視聴することで、広告スポンサーからYouTubeに収入が発生するしくみになっている。

実際のところ、YouTubeの収入は広告からのものが主だ。広告をいかにたくさん視聴者に見せるかが、カギになる。YouTubeチャンネルを開設しているクリエイターたちの収入も、この広告からの分配に頼っている（投げ銭による収入もあるが）。

今回の広告ブロッカーの停止要求と動画再生のブロックという措置に関して、YouTubeは「広告は世界中の多様なクリエイターのエコシステムをサポートし、世界中の何十億人もの人々が広告付きで無料でコンテンツにアクセスできるようにする」ものだと述べている。

また、サポートページにも「YouTubeの広告をブロックすると、YouTubeの利用規約に違反します。広告ブロッカーを使用する場合、YouTubeの広告を許可するか、YouTube Premiumにサインアップするように求められます。広告ブロッカーを続ける場合、動画の再生をブロックすることがあります」と警告が記されている。

どうしても広告を逃れてYouTubeを使用する方法として、動画の下にある共有ボタンをタップし、埋め込みコードのプレビュー画面で動画を再生すれば広告が表示されないと、勧めているユーザーもいる。これは確かに機能するものの、あまりスマートなやり方ではないだろう。

また別のユーザーは、YouTubeをログアウトした状態で動画を見るほうが、広告表示が減ると主張している。気分的なものかもしれないが、少なくとも報告した人はそう信じているようだ。さらに、どうしてもYouTubeが広告を見せるというのなら、もうこのサービスを使わないと主張するユーザーもいる。

何もそこまでして……という気もしないでもないが、今後もなんとかして無料のまま広告なしでの視聴を続けようとするユーザーは後を絶たないだろう。YouTube側もまた、より積極的な対策を講じると思われるため、いたちごっこは続きそうな気配だ。