たぶんファーウェイ製アプリのバグ……のはず

ファーウェイ製スマホ、Google公式アプリをウイルスだと警告

Image:Ascannio/Shutterstock.com

ここ数年、ファーウェイ製スマートフォンにはGoogleのアプリが公式に提供できなくなっている。米政府がトランプ政権時代にファーウェイを、米企業との取引を禁じる企業のリストに加えたためだ。Google Playアプリもファーウェイ端末から排除され、それでも使いたいユーザーは手動で入れるほかない。

しかし現在では、Google公式アプリをインストールした場合、ファーウェイ端末は「このアプリはウイルスだ」と警告を出すことが明らかとなった。

開発者向けサイトStack Diaryは、HuaweiやHonor製デバイスのユーザーから、これらがGoogle公式アプリをトロイの木馬型マルウェア(TrojanSMS-PA)と誤認識し「感染している」と表示すると報告している。大手掲示板RedditGoogle公式フォーラムでもスレッドが立ち、注目を集めていることだ。

主にファーウェイ独自アプリの「Phone Manager」や「Optimizer」が反応し、「高いリスクをもたらす」とのポップアップを出すという。

たとえばPhone Manager は、GoogleアプリがひそかにSMSを送信していることが検出されたため、直ちにアンインストールするよう勧めている。「アダルトコンテンツでユーザーを誘惑したり、ひそかにアプリをダウンロード/インストールしたり、あるいは個人情報を盗んだり」していたそうだ。

Image:Stack Diary

もちろん、Google公式アプリはウイルスではない。アダルトコンテンツで誘惑したり、個人情報を盗むこともないだろう。実際、NortonやSophosといった他のウイルス対策アプリでは、Googleアプリを悪意あるものだと認識してはいない。

最も可能性が高いのは、ファーウェイ製アプリにバグがあり、Googleアプリをトロイの木馬だと勘違いしたことだろう。

ちょうど今月、Googleの警告システムであるPlayプロテクトでも同様のことが起こった。数々の事業で提携しているサムスン製の「Samsung Wallet」や「Samsung Message」を含む純正アプリが「有害な」アプリとしてフラグが立てられていたが、これはGoogle側の「一時的な障害」のためだと確認されている。

この状況につき、今のところGoogleは何のコメントも出していない。そもそもGoogle公式アプリは本来ファーウェイ製デバイスで使えないはずのため、今後も何らかの声明は期待できないだろう。

また、一部ユーザーはPhone Managerアプリのキャッシュをクリアすると問題が解決しているようだ。

おそらく一過性の現象に過ぎず、実害は起こっていないはずだ。一方、「かつてのパートナーだったファーウェイのアプリが、Google公式アプリをウィルス扱いした」という珍事は、様々な憶測を呼びそうではある。

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