「アルゴリズムは子どもを食い物にする」とのこと

子どものSNS使用に親の同意を義務化、米ニューヨークで法案提出

Image:McLittle Stock/Shutterstock.com

米ニューヨーク州当局は、TikTokやYouTube、Instagramといったアルゴリズムに基づくフィード(スクロール可能なコンテンツ)のあるアプリを子供が使う場合、保護者の同意を義務づける法案を議員らと共に提出したと発表した。2024年の早い時期に採決に持ち込まれる見通しだ。

本法案の名称は「Stop Addictive Feeds Exploitation (SAFE) for Kids Act」(子供のための中毒性フィード防止法)。キャシー・ホーチュル州知事は、アルゴリズム・フィードは子どもたちを「追い回し」「食い物にする」と述べている。

法案提出に関わった議員らは、ソーシャルメディアが若者のメンタルヘルスや睡眠の質の低下と関係していると示す様々な研究があると指摘。

同州の司法長官レティシア・ジェームズ氏も「若いニューヨーカーは、記録的なレベルの不安やうつ病と闘っており、未成年者をプラットフォームに長く引き留めるため中毒性のある機能を使うソーシャルメディア企業の責任は大きい」「この法律は、子供たちに影響を与えるソーシャルメディアのリスクに取り組み、子供たちのプライバシーを保護するのに役立つだろう」と述べている。

また本法案は、SNSアプリに対して3つのペアレンタルコントロール(保護者による子供の使用制限)の実施も義務づけている。すなわち「利用時間の制限」「午前0時~6時の間の通知を無効化」および「午前0時~6時のアクセスをブロックまたは制限する」である。これら制限を実施しなかった企業は、最高5000ドルの罰金を課される可能性がある。

すでにTikTokとMeta、および800以上のハイテク企業を代表するTech:NYCは、言論の自由を制限し、子どもたちがオンライン・コミュニティの一員となる機会を奪うものだと主張し、反対を表明している。

こうした18才未満のソーシャルメディア利用に親の許可を義務づける法案を提出・可決したのは、ニューヨーク州が初めてではない。

今年初めにはユタ州でも同様の法律が、州当局の主導のもと可決。またアーカンソー州も18才未満の利用者がアカウントを作成する前に保護者の同意を義務づける法律を可決したが、こちらは9月に判事が発効を阻止している。

日本でも子どものゲーム利用時間を1日60分までに制限する「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」が施行されて物議を醸したが、未成年者がハイテクに近づくことに歯止めを掛ける動きは洋の東西を問わないようだ。

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