電話サポートに一本化される模様

アップル、旧TwitterやYouTubeでのカスタマーサポートをまもなく打ち切りか

Image:Postmodern Studio/Shutterstock.com

アップルはX(Twitter)やYouTubeのほか公式サポートコミュニティサイトなど、各種SNSで顧客サポートを行っている。が、今年(2023年)後半からSNSサポートアドバイザーの職務を廃止し、サポートは電話に一本化する予定との噂が報じられている。

米MacRumorsの情報源によると、この体制変更により、顧客はこれらプラットフォームでアップル社員からのサポートを受けられなくなるという。

まず10月1日以降、XのAppleSupportアカウントは、DMを送った顧客に人力による返信を提供しなくなるとのこと。今後DMを送った顧客は、アップルに連絡を取ってサポートを受けられる他の方法を教える自動返信が送られるという。

さらに情報筋によると、今後YouTubeのApple Supportチャンネルに公開された動画のコメント欄で顧客に技術サポートを提供しなくなる。また公式サポートコミュニティでは、有給のコミュニティ・スペシャリストは廃止されるとのこと。つまりコミュニティ自体は廃止しないが、ユーザー同士のやり取りのみになる、ということだろう。

アップルは影響を受ける数百人の従業員に対し、社内で電話でのサポート業務に移行する機会をオファーしているという。一部のアドバイザーは移行できない、ないし移行したくないと述べているものの、会社側は医学的な理由がないかぎり、社内の別のチャットベースのサポート業務に移行することを認めておらず、それがSNSチームの一部メンバーに怒りと不満を呼び起こしているそうだ。

対象となるスタッフは電話サポートを提供する訓練を受け、移行は11月までに完了する予定だと情報筋は語っている。また電話対応を希望しない従業員には「アップル社外で仕事を探す必要がある」と伝えたという。要するにクビという意味だろう。

アップルは2016年からXでカスタマーサポートを提供している。昨年、このプラットフォームは億万長者のイーロン・マスク氏により買収され、物議を醸した。アップルが一時的に広告を減らしたものの、ティム・クックCEOとマスク氏が「良い会話」をした後、わだかまりは解消したはずだった。

旧Twitterでのサポート対応は広く親しまれていたが、たとえば「iOSアップデート後、48時間後まではアプリや機能の調整が必要になることがある(バッテリーの消耗が激しい場合がある)」など定型的な回答も多かった。またSNSや掲示板に苦情が書き込まれていると拡散されやすいため、アップルもメリットを見いだしにくかったのかもしれない。

MacRumorsはアップルにコメントを求めたものの、すぐに返答は得られなかったとのこと。ともあれ、続報を待ちたいところだ。

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