様々な革新的アップグレードを計画

iPadの有機ELや画面下Face ID、折りたたみモデルが今後登場か。ディスプレイ専門アナリストが予測

Image:NYC Russ/Shutterstock.com

信頼性の高いディスプレイ専門アナリストが、アップルは今後数年間に14.1インチiPadや有機EL画面を搭載した11インチiPad Pro、さらに画面下カメラ技術や折りたたみディスプレイなど、iPadラインナップに様々な革新的アップグレードを計画していると述べている。

ディスプレイ専門サプライチェーン調査会社DSCCのアナリストRoss Young氏は、YouTube番組「The MacRumors Show」の最新エピソードでこれらの見通しを明かしている。

まずYoung氏は、14.1インチiPadが2023年初頭に発売されるとしつつも、12.9インチiPad ProのようなミニLED技術は採用されず、現行のiPad Airと同じ液晶画面になると述べている。この見解は先月半ばにも主張されていたが(ミニLEDは大画面ではコストが掛かりすぎるため)、Young氏はサプライヤーにさらなる確認を求めていると付け加えている。

また11インチiPad Proは当面、現在の液晶画面を踏襲し、アップルは12.9インチiPad ProのようなミニLED画面(Liquid Retina XDR)にアップグレードする予定はないという。その代わり、2024年に11インチと12.9インチのiPad Proで同時に有機ELディスプレイに移行するとのことだ。そして有機EL版の11インチiPad Proは、有機EL版12.9インチよりもかなり多く売れると予想しているそうだ。

有機EL版iPadについては、複数の情報源から噂が相次いでいる。つい先日もアップルがサムスンやLGディスプレイと共同で試作機を生産し、軽量なデザインと「比類のない画質」を目指していると報じられたばかりだ。

さらにYoung氏は、ディスプレイ下のTrueDepthカメラ、つまり「Face ID関連パーツが外から見えず、完全に画面下に埋め込まれる」技術がiPhoneよりも先にiPadに搭載される可能性があるという。

その理由は2つあり、1つはこの技術が1インチあたりのピクセル数が少ない大型ディスプレイの方が導入しやすいこと。もう1つは、iPadはiPhoneよりも生産量が少ないため、実装がより現実的であるとのことだ。また、本機能は早ければ来年にも登場するかもしれないとも述べられている。

以前Young氏は、2024年の「iPhone 16」に画面下Face IDが導入されると予想していたことがある。それより前倒しにiPadに導入し、ユーザーの反応を確認する意図があるのかもしれない。

最後にYoung氏は、アップルが今なお折りたたみiPhoneを市場に投入できなかったのは、十分な量のカバーガラスを入手することが重大な制約になっているためだと主張している。そして大型の折りたたみ式iPadやMacBookでは、こうした問題に直面しないとも述べられており、先にそちらが発売される可能性がほのめかされている。

折りたたみ式でMacとiPadのハイブリッド機が開発中であることは、BloombergのMark Gurman記者も示唆していた。またYoung氏も2月に、アップルが20インチ前後の「折りたたみ式ノートPC」に関心を示していると述べていた

これまで先進技術は先にiPhoneに投入される傾向があったが、大型のiPadの方がハードウェア的な制約も少なく、また出荷台数も少ないために冒険がしやすいはずだ。今後はiPadが、ガジェット好きから熱い視線を集めることになりそうだ。

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