走行中に発生して欲しくないトラブル

テスラのModel 3 / Yで「走行中にハンドルロック」報告が相次ぐ

Image:Jose Gil/Shutterstock.com

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、2023年式のテスラModel 3およびModel Yが走行中にハンドルロック状態になるという報告を調査中だ。現在、同局には12件の報告があり、うち5件はまったく自動車の操作ができなくなったとしており、別の7件は電源の喪失によってステアリングに問題が発生したという。

ある報告では、突然パワーステアリングが効かなくなり、前進または後退するとハンドルがセンターにロックされてしまうとのことだ。このドライバーはテスラの電源のオンオフ操作を何度かしてみたものの、問題は解決されず、結局サービスまでレッカー移動してもらう羽目になったと述べている。

テスラModel Yには、3月にも走行中にハンドルが脱落するという、普通の自動車ならありえそうにない不具合の報告があったほか、何も障害物が見えない場所で緊急自動ブレーキが作動するという「ファントムブレーキ」現象が800件以上も報告されている。ファントムブレーキ問題は、一部で訴訟にも発展している。

これらはいずれも、何らかのリコールもしくはソフトウェア修正が必要と思われる案件ばかり。だがそれ以外にも、AutopilotやFSDといった先進運転支援システム(ADAS)を使用中に、停止していた救急車などの緊急車両に衝突するという問題が12件以上発生していた。

自動車購入情報サイトのiSeeCarsの調査によると、最もリコールの多い車種ランキングにおいて、1位をModel Yが獲得し、3~5位をModel 3 / X / Sが占めている。いまやテスラは、あらゆる自動車メーカーのなかで最もリコールを量産している会社と言えるかもしれない。

自動車メーカーの多くは、リコール対象の問題が見つかれば、詳細な調査とリコール修理対応を実施しなければならないが、テスラの場合、車両制御システムソフトウェアのアップデートで不具合を解決できる場合がある。

2021年には、Model XおよびSでもパワーステアリングの問題でリコールがあったが、やはりソフトウェアのアップデートで問題を修正していた。今回も、もしかするとソフトウェアのアップデートがクルマにプッシュされれば、オーナーは何の対応もせずに問題解決となるかもしれない。

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