ニコルズはマクラーレンMP4/4の開発責任者でした

60年代Can-Amカーがモチーフのスーパーカー「N1A」発表。開発者は伝説のF1デザイナー、スティーブ・ニコルズ

Image:Nichols Cars

1988年のF1世界選手権を席巻した伝説のF1マシン、マクラーレンMP4/4のチーフデザイナーとして知られるスティーブ・ニコルズ氏が、自身の名を冠したニコルズ・カーズを設立。1960年代に活躍したマクラーレンM1Aに着想を得たスポーツカー、ニコルズN1Aを開発した。

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マクラーレンM1Aは1963年から1968年にかけて、北米および欧州のモータースポーツシーンで活躍したマシン。ニコルズ氏のN1Aは、このM1Aが持つ1960年代独特の流麗かつ鋭いエッジ、磨き上げられた金属パーツなど、特徴的なマシンフォルムを現代風に再解釈してデザインされている。

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ニコルズ氏は数十年にわたりF1マシンのデザイナーとして活躍してきたが、2017年に公道仕様のスーパーカーの製作を決意した。彼は自身が手がけてきた近代的F1マシンではなく、1960年代のまるで生き物のような美しいレーシングカーを蘇らせることを目指し、なおかつ2020年代の洗練されたロードスターモデルに仕上げることを目標とした。

N1Aは外観的にはレトロなレーシングカーの雰囲気を発散しているが、そのボディにはカーボンファイバーがふんだんに用いられ、アルミニウムのスペースフレームと巧みに組み合わされている。軽量な材料をふんだんに使用したことで、このオープン2シーターの車重は約900kgという軽さに仕上がった。

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パワーユニットは、460bhp(Brake Horse Power/制動馬力)のLT1型エンジンと6速マニュアルトランスミッションの組み合わせ。エンジンは650bhp/7リッターの自然吸気V8エンジンもオプションで用意する。これにトラクションコントロールが加えられて、トルクをしっかりと路面に伝達する。手作業で組み上げられた前後ダブルウィッシュボーンサスペンションは、前19インチ、後ろ20インチのホイールに装着したMichelin Pilot Sport Cup 2タイヤをしっかりと接地、マルチピストンブレーキが強力な制動力を発揮する。なお、ABSおよびパワーステアリングはオプション装備だ。

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N1Aは、台数を100台に限定しての生産となる。そして、マクラーレンMP4/4が記録した勝利数にちなみ、最初の15台には特別なカラーリングが施される予定となっている。特別なカラーリングの詳細は不明だが、アイルトン・セナとアラン・プロストが駆ったMP4/4の、あのカラーリングをアレンジしたものになるのではないだろうか。今から楽しみだ。

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