ジョブズの現実歪曲フィールドが冴えわたった製品

macOS 13.5、6年前に販売終了の「iPod shuffle」同期バグを修正

Image:thanmano/Shutterstock.com

アップルは現在、macOS 13.5のベータ版を開発者向けにテスト中だ。正式版は今月末に配信されるようだが、なんと第3世代および第4世代iPod Shuffleとの同期バグが修正されることが明らかとなった。

これはアップルの公式リリースノートに書かれていたことだ。「解決された問題:iPod shuffle(第3世代および第4世代)が不明なエラー(-244)のために同期できない問題を修正しました」とある。

iPod Shuffleは世代ごとにデザインが全く異なるが、共通するのは「情報を表示する画面がない」ことと「ストレージにフラッシュメモリを使っている」ことだ。初代は2005年に発売され持ち運びやすいスティック型で、ストレージは512MBと少量ながらも99ドル(日本では1万980円)という低価格が人気を集めた。

当時のアップルCEOだったスティーブ・ジョブズ氏は「iPod shuffleはガムのパッケージより小さくて軽く、価格も100ドルを下回ります。フラッシュメモリを搭載した音楽プレーヤーの多くは目的の曲を探すために小さなディスプレイで複雑な操作を行う必要があります。iPod shuffleなら、くつろぎながら毎回新しい順番で音楽を楽しめます」と述べていた。画面がなくて複雑な操作が「できない」ことをポジティブに表現する技巧はさすがである。

ともあれ、第3世代iPod shuffleは2009年発売、第4世代は2010年に発売された。後に(PRODUCT)REDなど新色も追加されていたが、2017年7月にiPod nanoとともに販売を終了。実に6年前の製品向けに修正アップデートを準備していることが驚きを呼んでいる。

アップルは今年後半に次期「macOS Sonoma」のリリースを控えているため、このmacOS 13.5はおそらくmacOS Venturaでの最後の更新の1つとなるだろう。iPadOSでは実現済みのウィジェットが追加されたりと地味な印象が強いが、微調整により使いやすくなっていると期待したいところだ。

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