S3 Gen2プラットフォームを活用

クアルコム、LE Audioで「20msの低遅延」実現するソリューション発表。まずはドングルから

編集部:平山洸太

Image:Qualcomm

クアルコムは、ドングルを利用することでワイヤレスイヤホンの音遅延を低減させるソリューション「Qualcomm S3 Gen2 Sound Platform for Gaming Dongles and Adaptors」を発表した。本技術を採用する製品は、2023年内に発売される見込みとしている。

同社では昨年末に「S3 Gen2 Sound Platform (QCC308x) 」を発表していたが、今回、さらに低遅延を実現する搭載するソリューションを発表。対応するイヤホン/ヘッドホンとドングルを組み合せることで、20ms以下の低遅延を実現する。ドングルとイヤホンとはLE Audioで接続する。

ドングルを使用することで遅延20ms以下に

なお、前世代であるS5/S3 Gen1とSnapdragon 8 Gen1との組み合わせにおける遅延は80ms。S5/S3 Gen2とSnapdragon 8 Gen2では遅延が48msまで低下するが、ドングル接続では上記の通り、20ms以下を実現できる。

さらに今回のソリューションでは低遅延に加えて、再生音質に影響を与えずにボイスチャットや通話を行うことが可能。サウンドを聞きながら自分の声を安定かつ高いクオリティで送るというのは、クアルコムの技術だからこそ実現できたという。

なお発表に先立ってデモも行われたが、使われたドングルのサンプル機は、USB Type-C端子を備えており、端子を除いた長さは2cmほど。PCに接続するとUSBオーディオデバイスとして認識される。もちろん、USB Type-C端子を備えたスマートフォンに接続しても利用できる。

ゲーミングヘッドセットでは独自の2.4GHz接続を用いたワイヤレス対応のものが多くある。そちらは基本的にドングルとヘッドセットの組み合わせが固定されてしまうが、今回のS3 Gen2を利用したドングルでは、プラットフォームを採用しているイヤホンとはメーカーが違っても利用できる。

つまり、一度ドングルを購入してあとは、他社製イヤホン/ヘッドホンに乗り換えたり買い足したりしても(S3 Gen2のプラットフォームを採用するモデルであれば)、20ms以下の低遅延を引き続き使うことができる。

まずはドングル用の技術として投入されるが、ゆくゆくはSnapdragonシリーズのSoCも対応する可能性は考えられるとのこと。本ソリューションが広まることで、より低遅延の接続が身近になることに期待したい。

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