アルミ削り出しボディである限り軽量化は望めなさそう

iFixitが15インチMacBook Airを分解。バッテリーは急速充電しやすい構成に

Image:iFixit

大型の15インチMacBook Airが発売されて以来、テック系YouTuberらが分解したとの報告が相次いでいた。その決定版ともいえる修理業者iFixitによる動画が公開され、13インチモデルからの変更点や、従来通りの修理しにくさが明らかにされている。

iFixitは新モデルの分解に取り掛かるや、さっそく13インチモデルから修理しやすさがまるで改善されてないと指摘し、形状やサイズの異なるネジに悪戦苦闘することを「悲惨」から「迷路」まであらゆる言葉で表現している。

いくつかのペンタローブねじ(五角形。iPhoneにも採用)を外し、ギターピックを使って底面カバーをこじ開けた後も、大量のネジのほか様々な部分を止めるクリップも山ほどあるという具合だ。修理しやすさスコアは、10点満点の3点である。

それでも特定の部分ごとに見れば、以前のMacBook Airよりも部品配置が整理され、修理しやすくなっているという。これは2022年から米国で提供されている、セルフサービス修理プログラムの拡大に対応しているようだ。

さて15インチMacBook Airの内部構造は、13インチモデルと比べ、いくつかの変更点がある。まず、M2を実装するロジックボード(マザーボード)が少し小型化された。

そしてスピーカーも13インチの4個から6個に増えているが、それに伴いスピーカーのレイアウトも変更されている。これは、ロジックボードの小型化にも助けられているようだ。

また15インチMacBook Airのバッテリー容量は66.5WHrとなり、13インチの52.6WHrよりも25%大型化している。だからといって駆動時間が伸びているわけではなく、ほぼ同程度である

おそらく理由の1つは、15インチモデルのベースモデルでは、M2チップにGPUコアを2つ追加している(13インチの上位版と同じ)こと。もう1つは画面が大型化してスピーカーが増えたこと。これらが総合的に消費電力を底上げし、バッテリー容量の増加を相殺しているのだろう。

しかし、15インチモデルのバッテリーは大型セル×1+小型セル×4の構成で、13インチの4つよりもセル数を増やしている。iFixitは、より多くのセルを同時に充電できることから、高速充電できるだろうと推測している(実測したわけではない)。

またiFixitの報告では強調されていないが、The Vergeは13インチモデルに続き、15インチモデルでもヒートシンクがないことを指摘していた。それにもかかわらず、15インチは13インチよりも22%も重いのである。

競合他社のノートPCが筐体にマグネシウム合金やプラスチックを使っているのに対して、アップルはアルミ削り出しによるユニボディにこだわっているため軽量化しづらい。15インチMacBook Air発表時には「軽さ」がアピールされていたが、これ以上重くしないためにもヒートシンクは載せられなかったのだろう(Proモデルと差別化する意図もありそうだが)。

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