「有名人バッジ」から「誰でも買える有料バッジ」へ

Twitter、旧認証バッジを削除。トランプ元大統領やレディー・ガガ、ローマ教皇も没収

Image:AliSpective/Shutterstock.com

Twitterは何度も予告しながら延期してきた、従来の青い認証バッジの削除を正式に開始した。先月末にも4月1日に削除すると宣言していたが、ようやく実行に移されたかたちだ。

かつての青い認証バッジは、政治家や芸能人、スポーツ選手など著名人や企業のアカウントをTwitterが審査し、本物であることを検証してから与えていたものだ。しかし同社のCEOであるイーロン・マスク氏はバッジ付与の条件が不明確で「腐敗している」と批判し、誰もが認証バッジが得られるTwitter Blue有料プランへの加入を促していた。

米Washington Postは20日午後(現地時間)の時点で、数千もの著名人が認証バッジを失っていることを確認している。その中にはトランプ元大統領や歌手のジャスティン・ビーバー氏、レディー・ガガ氏やローマ教皇フランシスコも含まれており、Twitterの元CEOで創業者のジャック・ドーシー氏もバッジをはく奪されたようだ。

この変更はゆっくり展開されているらしく、かなり挙動が怪しいとの指摘もある。米9to5Macによれば、青い認証バッジが付いていたと思ったら、ページを更新したら消えていて、リロードすると復活していることもあるという。

とはいえ、旧認証バッジの完全廃止に向けた作業が進んでいることは事実のようだ。新Twitter Blue開始後は本人確認された旧バッジと有料プラン加入を示す新バッジが同じ色と形で混在していたが、今後は本人確認なしの「課金している」バッジに一本化されることになる。

またブランドや組織用には、個人向けとは別にゴールド認証バッジが用意されている。米国では月額1000ドル、日本では13万5,000円だ。また社員などの関連アカウントは50ドル/8,000円となっている。

以前からマスク氏は、旧認証バッジのシステムを「領主と小作人のシステム」(身分差別がある)と呼び、デタラメだと繰り返し批判。それに代わり、月額8ドル(日本では980円)払えば誰でもバッジが得られる新Twitter Blueを「人民に力を!」として勧めてきた。

しかし新Twitter Blueが開始された直後に、悪ふざけで公式アカウントへのなりすましが横行したことは記憶に新しい。一応マスク氏はなりすましを行ったアカウントは永久凍結にするとけん制していたが、Twitterの従業員も大幅に削減されてトラブルに対応する人手が不足し、本人確認の仕組みもないまま、さらなる混乱が生じないか懸念されるところだ。

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