有線ワイヤレスイヤホンとは

世界初「USB-C搭載AirPods」を作った猛者現る

Image:Ken Pillonel/YouTube

かつて世界初のUSB-C版iPhoneを作った、Ken Pillonel氏というエンジニアがいる。その後もLightning付きAndroidスマートフォンや、USB-C版AirPods充電ケースを自作した人物である。実用性はさておき、見かけ以上の困難を乗り越えて夢(?)を実現してきた技術力は確かだろう。

そのPillonel氏が4月1日、「これまでで最も革新的なプロジェクト」として、USB-C搭載の有線AirPodsを自作したプロセスを公開している。エイプリルフールネタのようではあるが、現実のことである。

このプロジェクトの素材となったのは、2020年に購入したAirPodsだ。すでにバッテリーが30秒しか持たなくなっていたが、修理業者iFixitは、初代および第2世代AirPodsの修理しやすさスコアに0/10を付けていた。ほとんど修理不可能であり、バッテリーが交換できないということだ。

そのためPillonel氏は自らAirPodsを分解し、配線を引き出してケーブルとハンダ付けすることで「世界初の有線AirPods」に改造している。「Air」とはワイヤレスの意味であり「Wired(有線)」と決して交わらないはずだが、それを象徴するかのように白(AirPods)と黒(USB-Cケーブル)のツートンカラーとなっている。

またAirPodsが有線になれば、ただのEarPodsではないかとの印象もある。だが、今のところ純正品には3.5mmヘッドホンジャック版とLightningコネクタ版しかないため、「世界初のUSB-C版EarPods」といえるかもしれない。iPadの最新モデルは全てUSB-Cに移行しているが、なぜかアップルはUSB-C版EarPodsを出していないのである。

アップルは欧州連合の「USB-C統一法」に対応すべく、今年秋の「iPhone 15」を皮切りにデバイス本体や純正アクセサリ類をUSB-Cに移行すると予想されている。もっとも、充電ケースではなくAirPods自体に有線USB-Cが搭載されることは、未来永劫なさそうだ。

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