バーチャルペットを手で撫でられる

Metaの次世代ヘッドセット、実機が初公開。マーク・ザッカーバーグ氏が自ら実演

Image:Meta/Mark Zuckerberg

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、新型のハイエンドMR(複合現実)ヘッドセット「Project Cambria」の実物を初めて公開した。2021年末に予告されてから公式の情報提供はなかったが、ザッカーバーグ氏自らがヘッドセットをかぶり、バーチャルと現実を重ね合わせた新たな体験を動画で紹介している。

ヘッドセット本体にはモザイクがかけられており、ハードウェアの形状や細部は全く分からない。今回焦点を当てられているのが、ザッカーバーグ氏が「物理世界と仮想世界を融合させている」という複合現実体験の「The World Beyond」である。

現実世界(Metaのオフィス)にいるザッカーバーグ氏が、仮想世界にいる小さな青いペットとコントローラーを使わずに戯れている。手で撫でたり、ボールをつかんで投げ与えたりと、あたかも現実と仮想の壁を超えてペットとともに暮らしているようだ。

Image:Meta/Mark Zuckerberg

動画では仮想ワークステーションの前にいるユーザーがメモ帳に目を落とし、手書きしている様子も映し出されている。Cambriaは高画質により文字をはっきり読むことができるとの報道もあったが、本当にその通りのようだ。

さらにデモでは、ヘッドセットを装着したユーザート同じ空間にいるように見える仮想のパーソナルトレーナーも映し出されている。これらは全てThe World Beyondの体験であり、Meta社のプレゼンスプラットフォームにより作られているという。

またCambriaはフルカラースルーパススルー機能、つまり現実世界も色つきで見られることが明かされている。現行のMeta Quest 2も被ったまま周辺の環境を見ることはできるが、白黒かつ低解像度となっている。

まだCambriaの詳細な性能は公表されていないが、Chromebookと同等のスペックを持ち、Meta社内で「顔のためのノートPC」と呼ばれているとの報道もあった。その情報源によればCambriaは9月頃に発売され、価格は799ドル(約10万円)以上になるという。

ほかMetaは、数年以内に(Cambriaとは別の)3つのヘッドセット製品を投入する予定とも言われている。まず2023年と2024年に新型Questヘッドセットを発売し、翌2024年にはCambriaの後継機(社内コード名は「Funston」)をリリースする見通しとされている。

今回ザッカーバーグ氏が実演した「仮想世界にいるペットを現実の手で撫で、コミュニケーションを取る」姿は、まるで日本のアニメ『電脳コイル』のようでもある。Cambiraヘッドセットはメガネというには大きすぎるようだが、新たな体験がやって来ることを待ちたいところだ。

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