英国ジョークは慈善団体でも容赦ない

MacやiPhoneを手がけたアイブ氏の最新作は“史上最も完璧な鼻”

Image:Comic Relief

元アップルのデザイン最高責任者であり、かつてiMacやiPhoneを手がけたジョニー・アイブ氏の“最新作”は、ピエロが着けるような「赤い鼻」だと報じられている。

これは英国の慈善団体コミック・リリーフによるチャリティ活動「レッド・ノーズ・デー」に使われるものだ。ピエロのように赤い鼻を付けて笑顔を届けるとともに、貧しい人々や恵まれない人々のために寄付を募るイベントである。今年(2023年)は、現地時間で3月17日に開催される予定だ。

アイブ氏がデザインした鼻は、95%が植物由来の材料でできているという。折りたたまれた状態では平らな三日月型をしているが、開くとハニカム状の紙の球体になり、鼻に装着できる。小さく白い携帯ケースも着いており、まるでAirPodsなどのアップル製品のようだ。

英BBCの子供向けニュース番組Newsroundは、アイブ氏のデザインを「1988年に赤い鼻がデビューして以来、最も劇的なイメージチェンジ」「クールな折り紙デザイン」だと表現している。

さらにコミック・リリーフは、この鼻のプロモーション動画まで公開している。ナレーションを担当しているのは、女優でコメディアンのダイアン・モーガン氏である。

その中では鼻のデザインが地球になぞらえられ、「完璧な円」の重要性が強調された後、この最新モデルがいかに「史上最も完璧な鼻」であるかが力説されている。

この重々しく大げさな語り口は、おそらくアイブ氏がかつてiPhoneやMacを語った動画を皮肉ったものだろう。以前Googleも、Pixel 5aのイヤホンジャックが「丸い」ことを2分にわたって宣伝する動画を公開していたが、そちらもアイブ氏のパロディだと話題になっていた。参考までに、下記がアイブ氏ご本人による12インチMacBook紹介映像である。

かたやアイブ氏は、それを意に介さないような(同じく英国出身のため理解があるのだろう)声明を発表。「私たち(アイブ氏の会社LoveFrom)はコミック・リリーフとともに成長し、彼らの目覚ましい活動を支援できることを誇りに思っている」「この新しい、一見シンプルな赤い鼻のデザインと製作は非常に複雑な作業であり、私たちのチーム全体が関わっている」とのことだ。

この最新モデルは、英Amazonとコミック・リリーフの公式サイトで1個2.50ポンド(約400円)、1人8個まで買うことができる。その販売とイベントで集まった寄付金は、ホームレスや精神衛生、食糧難などの問題と戦う人々のために使われる。

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