上海の生産能力は10 - 20%に

中国のロックダウンが「MacBook Pro」製造を直撃。7月まで品不足の見込み

Image: Apple

アップルの「MacBook Pro」は、中国の主要な生産拠点がロックダウンになったことから、納期が大幅に遅れていると見られていた。その後に生産が徐々に再開されているとの報道もあったが、やはり7月までロックダウン前の生産水準に戻る見込みがないとの観測が伝えられている。

台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesの有料記事によると、たしかにMacBook関連の工場は操業を再開しているが、人手不足や物流上の問題があり、従来の10 – 20%の生産能力しか出せていないとのことだ。

上海はハイエンドのMacBook Pro(14インチおよび16インチ)唯一のサプライヤーとなる拠点であり、現地での生産不足はデバイスの品不足に直結することになる。先月半ばには(日本向け公式オンラインストアでは)納期が5月末 – 6月初めとされていたが、記事執筆時点の5月中旬では7月2日 – 16日までずれ込んでいる。

また報告によると、上海工場では組立作業員と寮に住む従業員のみが職場復帰を許されており、依然として人手不足などの厳しさは変わらないようだ。

その一方で(製品を輸入する国での)入港待ちのコンテナ船には多くの製品が閉じ込められたままで、これらが小売店に運び込まれて顧客に出荷されるまでは、生産拠点からの大規模な出荷は見合わせられるという。また物流の復旧も遅れているため、(工場が)部品を引き取るペースも予想を大きく下回っていると伝えられている。

米MacRumorsの読者にも、3月〜4月頃に発注したMacBook Proの出荷が大幅に遅れている人が複数いるそうだ。例えば4月6日に注文し、当初は5月18日 – 25日とされていた納期が、7月7日 – 21日に延期されたという。つまり3ヶ月近くも待たされることになるわけだ。

すでにアップルは半導体不足のため、消費者の強い需要を満たせるだけの製品を作ることが引き続き難しく、40億 – 80億ドル(約5,200 – 1兆4,000億円)相当の売上機会を失う可能性があると警告していた

中国の厳しいゼロコロナ政策に対しては、WHOの事務局長さえも「持続可能ではない」と批判しているが、アップル製品ユーザーからも早期の見直しが望まれそうだ。

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