AIが招く家庭崩壊

妻に教えたChatGPTが毒殺計画を支援。殺されかけた夫がOpenAI提訴

Munenori Taniguchi

Image:Anton Dzhumelia / Shutterstock.com

米ノースカロライナ州に住む男性がOpenAIを提訴した。男性は、妻にChatGPTを教えたところ、妻が夫の毒殺計画をこのAIチャットボットに立てさせ、実行と隠蔽の支援までしたと主張している。

サンフランシスコ上級裁判所に提出された訴状は、OpenAIとサム・アルトマン氏に対して、サイバーセキュリティ専門家のジェームズ・ゲイツ氏の妻シェリル・ゲイツがChatGPTに殺人の実行方法と隠蔽方法について助言を求めた際に、「明らかに疑わしい」質問内容に対してチャットを遮断するなどの技術的な安全対策を講じなかったと述べている。

妻は当初、ChatGPTに対して夫が自分を殺そうとするかもしれないという恐怖から毒殺について調べていると述べ、質問の目的は「自己防衛」だとした。

目的が質問者が自分の身を守るためだと認識したChatGPTは、妻を助けるためにチャットを打ち切らず、有毒な植物であるキョウチクトウを使った毒殺方法に関する具体的な情報や、吐き気止めを使った場合は死を早めるか遅らせるか、検死報告書に痕跡が残るか、お茶として摂取する代わりに静脈や筋肉に注射しても同等の致死効果があるかといった質問に逐一助言したという。

少なくとも25回のやり取りで、妻の質問はより具体的に殺人を意図したものとなっていったが、ChatGPTおよびOpenAIは法執行機関への通報もせず、体重約90kgの被験者を基準に、自宅にある薬材の致死量を繰り返し計算した」と訴訟では述べられている。

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結果的には、シェリル・ゲイツは夫の警察への通報とそれによる捜査を経て、2025年10月に起訴された。しかし、殺人未遂その他の容疑は証拠不十分を理由に4月に取り下げられた。現在、ジェームズ・ゲイツ氏は妻と別居状態にあり、訴訟では子供たちの親権は一時的に夫のジェームズ氏が持っている。

一方、OpenAIとサム・アルトマン氏に対しては、ジェームズ・ゲイツ氏はChatGPTの製品設計に責任があるとして、OpenAIの過失を主張し、身体的、精神的、金銭的な損害に対する賠償を求めている。

数年前より、OpenAIをはじめとするAIチャットボット開発企業に対するこのような訴訟は相次いでおり、企業はユーザーに精神的苦痛を与えたり、殺人や自殺を含む暴力行為を促したりしたとして非難されている。

いくつかの訴訟において、OpenAIはチャットボットが生成するコンテンツは言論の自由であり、製造物責任法の対象にはならないと主張して自社を弁護している。また、同社はチャットボットがユーザーによる犯罪行為に直接責任を負うことを否定している。


チャットボットが提供した情報をユーザーが犯罪に利用した場合、そのAIを開発した企業が責任を問われるのかについては、これまでのところ明確な判例がないとされている。

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