マイクロソフト、8GB RAM搭載PCでWindows 11が軽快になった仕組みを解説

Munenori Taniguchi

Image:Hamara / Shutterstock

マイクロソフトは11月3日に公開したブログ記事で、Windows 11の最近のアップデートによって特に8GBしかRAMを搭載しないPCでパフォーマンスやメモリー管理が改善されたことについて解説している。

一般的に、PCの動作は搭載するRAMの容量が大きいほどスワップ(ストレージへのデータ退避)が発生しにくくなり、動作が軽快になると考えられている。最近はAI対応のためもあり、ノートPCでも32GB RAMを搭載しているものが珍しくなくなってきている。

一方で少し前までは、スタンダードなノートPCとして8GBのRAMを搭載したモデルも多く販売されていた。

マイクロソフトは、8GBのRAMを搭載したPCにおけるWindowsの動作を改善するため、以下の3つのポイントを考慮したと述べている。

・搭載されているRAMをより有効に活用する
・RAM使用量が増加しても、即時の応答が必要なタスクを保護する
・主要なアプリおよびWindows自体が必要とするRAM容量を削減する

1つ目のポイントについては、実行中のアプリやタスクが増えた際に、RAMの空き容量が少なくなり、非アクティブなデータをストレージに退避させたり、再びRAMに書き戻したりするスワップ処理の発生を低減させる工夫を加えたという。

具体的には、特に8GBのRAMを搭載するPCでスワップの発生を少なくするため、使用頻度が少ないデータをストレージに書き出すのではなく、圧縮することでデータ使用量を削減しつつ、スワップの発生を抑える。これにより、データが占有する容量を削減し、RAM上により多くのデータを保持できるようにした。

マイクロソフトによると、今回の改善によって、従来より最大2GB多くのアクティブなデータをRAM上に保持できるようになったという。これにより、開いたままにしていたアプリやブラウザーのタブに戻った際、再読み込みが発生しにくくなるとしている。

2つ目の即時応答が必要なタスクの保護については、Windowsを操作する際にもたつきがあると気になる、スタートメニューの展開、ファイルエクスプローラーの起動、フォルダーやファイルを右クリックしたときのメニュー表示、検索といった操作を優先的に処理するように、検索インデックスの作成などのバックグラウンドタスクを後回しにするといった工夫を加えた。

マイクロソフトは、最新バージョンのWindows 11は2026年1月版と比較して、これらの種類のタスクや操作の速度を最大20%向上したと主張している。

さらに、マルチタスク性能についても改善を確認したという。マイクロソフトが実施したテストでは、Microsoft Edgeで20個のタブを開き、4K動画や大容量のWord、PowerPoint、Excelファイル、Outlook、ファイルエクスプローラーなどを順番に起動して、すべて開いたままにする作業を実施。その結果、2026年1月時点のビルドと比較して、一連の作業が最大40%速く完了したとしている。

3つ目の主要アプリのメモリー使用量の削減では、管理方法と使用のタイミングを改善したという。たとえばMicrosoft Office(Word、PowerPoint、Excel、Outlook)ではRAMの割り当てをより効率的にすることで、使用量を360MBほど削減したとのことだ。

RAM割り当ての効率化はWhatsAppなどのサードパーティ製アプリにも適用されるという。またウィジェットのロードやMicrosoft Edgeの非アクティブなタブの管理方法などにも改善を加えた結果、Windows、Microsoft 365、およびMicrosoft Edge全体で、コミット済みメモリーの増加量を最大900MB抑制できたとMicrosoftは主張している。

Image:Microsoft

マイクロソフトは今後、メモリー圧縮をさらにスマートかつ効率的にする計画があると述べている。また、PCメーカーや半導体メーカーと協力することで、ハードウェア用に予約するメモリー容量を削減することで、Windowsがさらなる領域を確保できるようにする取り組みを進めている。

なお、これらの最新のパフォーマンス改善はWindows 11 バージョン26H2のビルド26300.9818以降で提供されている。8GB RAM搭載のWindows PCを使っているなら、アップデートを適用することで、(PCそのものの性能にもよるが)少しはパフォーマンスの向上を感じることができるかもしれない。

ちなみに一部の改善はアプリのアップデートで提供されるため、Microsoft Edge、Microsoft 365、TeamsといったアプリもWindowsとともに最新の状態にしておく必要がある。