【連載】山本敦の発見!TECH最前線 第18回

Airが人気のGoogle Fitbit、画面付き「Edge」は何が便利?

山本 敦

Googleのディスプレイ搭載フィットネスバンド、Google Fitbit Edgeの実機をレポートする

Googleが10月27日に発売した「Google Fitbit Edge」は、Fitbit Charge 6の後継にあたる位置付けのフィットネストラッカーだ。価格は26,800円(以下、税込表記)。

Google Fitbit Airよりも多機能で、Google Pixel Watch 5よりも気軽に身に着けられる。ちょうど3つの製品の中間に位置づけられるデバイスだ。実機を使ってみると、やはりFitbit Edgeの魅力は、運動や健康のデータを手もとの画面で簡単に確認できることにあると感じた。

Charge 6からの進化と省かれた機能

Fitbit Charge 6との差分から見ていこう。まず、Charge 6にあったNFCがEdgeには搭載されず、Google Walletによるタッチ決済やSuicaが利用できなくなった。スマートバンド、あるいはスマートウォッチをタッチ決済やSuicaとしてもよく使っている方にとっては、省いてほしくなかった機能だろう。

フィットネス計測では運動中の心拍データの保存間隔が変わった。Charge 6が運動中に1秒間隔で記録するのに対し、Edgeは2秒間隔だ。短時間の変化を追う記録点は少なくなるが、Edgeの心拍計測精度そのものがCharge 6より低くなるわけではない。

もうひとつの違いは、Charge 6のEDA ScanアプリがEdgeにはない。皮膚電気活動を測定し、ストレスに対する身体の反応を知る手がかりにする機能だ。運動記録そのものではないが、身体の状態を幅広く把握したい人には惜しく感じられるだろう。

一方で、心臓の健康を把握するために有用な心電図機能はEdgeにも継承されている。

手動で選べるワークアウトモードは、Charge 6の40種類以上からEdgeでは50種類以上になった。筆者が実機で数えてみたところ、10月26日時点で計測できるワークアウトは52種類あった。Googleは自動で認識できるアクティビティは最大100種類に対応すると説明している。これを試した結果は後述する。

Edgeは50種類を超えるワークアウトの計測に対応している

EdgeのポジションはAirとPixel Watchの間

Googleが今年5月に発売したGoogle Fitbit Airは、16,800円だ。ディスプレイを持たず、身に着けて活動や睡眠を快適に記録できる「軽快さ」に重きを置く。Edgeは26,800円で、本体にディスプレイと物理ボタンを備え、計測データや通知を手首で確認できる。

Google Pixel Watch 5は62,800円から。Wear OSのアプリを使うことができ、手首からのGeminiの操作などスマートウォッチとしての機能も幅広い。

本体にディスプレイを持たないフィットネスバンド、Google Fitbit Airも発売以来好調だ

Pixel Watch 5はAndroidスマートフォン向けで、iPhoneとの組み合わせに非対応。だが、EdgeとAirは、ともにiOSとAndroidの両方に対応することも特筆したい魅力だ。

Edgeはデバイス単体でGeminiに話しかけることはできないが、有料サービスのGoogle Health Premiumに登録すると、スマホのGoogle HealthアプリからGeminiを使ったGoogle Healthコーチが利用できる。手もとに必要な情報を表示して、Geminiと連携する一歩踏み込んだ使い方はスマホとの連携により実現する。

視認性の高いディスプレイを搭載するGoogle Pixel Watch 5

小さな画面がワークアウト体験を変える

Fitbit Edgeは、本体に1.34インチのタッチディスプレイを搭載していることが大きな特徴だ。ワークアウト中に心拍数や経過時間、運動強度を視覚的に把握できると、画面のないAirよりもやはり安心感がある。

健康やフィットネスの記録を、ペアリングしたスマホの画面でなければ確認できないAirに対して、Edgeはデバイス単体で扱える範囲がより広い。音声操作に対応していない分、タッチディスプレイを活かしたシンプルなユーザーインターフェースもよくまとまっていると感じた。

ディスプレイを搭載するEdgeであればワークアウトの成果をリアルタイムに、数値を目で見ながら確認できる

ただし、画面を常時表示にしてしまうと、フル充電からの連続バッテリー駆動時間が最長7日から最長2日まで短くなる。画面を常時オンにせず、手首を上げたり返したりしたときだけに表示したり、ダブルタップで起動する設定も選べる。私は電池持ちを優先して常時表示はオフにして試用した。慣れてしまえば、特に不便はない。

何より最長7日というバッテリー持ちは頼もしい。3〜4日前後の出張や旅行であれば、常時表示やGPSの利用が少ないほど、充電器は旅先に持ち出さなくても自宅に置いていける可能性がある。

先述した自動アクティビティ検知は、うまく使いこなせれば便利だ。ウォーキングやランニング、サイクリングでは比較的正確にユーザーの身体の動きを捉えて、自動で計測の開始と終了のタイミングを提案してくれた。

Google Healthアプリとの連携により、ワークアウトの自動検出と結果の保存に対応する。サイクリングやウォーキングのような定番種目の自動計測が比較的安定している

一方で、ジムに出かけて筋力トレーニングを始めてみたところ、Edgeは開始と終了の判定ができなかった。記録が2時間、3時間と続いてしまい、終了を促すアラートも出なかったので、結局は手動で記録を止めた。

記録の終了を忘れたまま椅子に座って、リラックスしながら30分以上過ごしていたら、さすがに検知してもらいたい。アルゴリズムがさらにブラッシュアップされることを期待している。

今回のハンズオンではもうひとつ、Google HealthアプリのGoogle Healthコーチが印象に残った。ワークアウトの成果を振り返るだけでなく、今後の目標やメニューについて相談できるスマートなAIコーチング機能だ。Geminiと自然に会話を交わしながら、ワークアウトや健康チェックの指標を一緒に考えられる。

ワークアウトやヘルスケアに関連することを、Geminiベースの「コーチに質問」。Google Health Premiumのエクササイズを組み合わせて、ユーザーのリクエストに合わせたワークアウトメニューをカスタム生成してくれる

筆者は「背中の張りを和らげるワークアウトメニューを作って」とコーチに頼んで、Google Health Premiumのワークアウトプログラムを組み合わせたメニューをカスタマイズした。生成したワークアウトメニューが気に入れば、ライブラリに保存して繰り返し使える。無理なく続けられる運動習慣を身に着けたい方に、Google Healthコーチをぜひ試してもらいたい。

Edgeを購入するとGoogle Health Premiumの3か月無料トライアルが付いてくる。無料期間の終了後も、2026年10月末現在では月額1,580円で利用できる。また無料契約の場合でも、Google Healthのアプリ上でワークアウトの記録・確認等は使える。

iPhoneユーザーへのプレゼントにもなる

Fitbit Edgeの大きな強みは、やはりAndroidスマホだけでなく、iPhoneにも対応していることだ。Pixel Watch 5はAndroid専用だが、Edgeなら離れた所に暮らしている “iPhoneユーザー” の親にもプレゼントできる。

心拍測定や歩数計は、画面付きデバイスの方が、リアルタイムに計測されるデータを見て楽しみながら健康づくりに活用できるはずだ。そして、Pixel Watch 5に比べると価格も手頃だ。

ディスプレイを搭載するEdgeなら、自分も一緒に同様にEdgeを使いながら、操作方法やアプリによるデータの見方を覚えて、ビデオ通話や電話で親に教えられる。

ただし、家族の健康状態を遠方から見守る機能には期待しすぎない方がよいだろう。Edgeには、Apple Watchが搭載するアクティビティ共有のように、離れた場所にいる家族や友だちのワークアウトの進行、あるいは立ち上がった回数のような活動状況を手軽に見守れる機能がない。この点は、筆者がFitbit EdgeとAirについて、一番もの足りなく感じるところのひとつだ。

Apple Watchが実現しているアクティビティ共有は、遠く離れて暮らす家族の様子を見守るための機能としても活用できる

ディスプレイを備えるEdgeをスマートウォッチと反対側の手首に着けたり、アナログ腕時計と併用したりすると、見た目のバランスが取りにくいと感じた。周囲から少しギークな人と思われているのではないか、という居心地の悪さもある。その点では画面のないAirは主張が控えめで、Apple Watchと併用しても不自然に見えにくい特長がある。

筆者であれば、アプリやGeminiも使えるメインのスマートウォッチとしてはPixel Watch 5を選ぶ。だが、スマートウォッチの多機能さや頻繁な充電が苦手で、フィットネスやヘルスケアでの利用が主目的なのでタッチ決済機能は不要、運動や睡眠を記録するシンプルなデバイスがほしいという方には、Fitbit Edgeが有力だと思う。

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