2023年に工事停止命令を無視して設置、操業開始

無許可操業データセンターが約1140万リットルの漏水事故。学校や役場など断水し一時閉鎖に

Munenori Taniguchi

Image:hlopex/Shutterstock.com

先週、米オクラホマ州エル・レノの街にあるデータセンターが300万ガロン(約1140万リットル)もの冷却水が漏れる事故を起こした。これにより、周辺の学校や企業、市役所などで水道が使えなくなり一時的に閉鎖された。市当局は火災および生命安全に関する規則違反を理由にこのデータセンターに閉鎖命令を出す事態に発展した。

ABC系の地元テレビ局Kocoによると、このデータセンターは世界各地で物議を醸しているAI用データセンターではなく、ビットコイン採掘を行うためにAthlon Blockchain Technologyなる企業が操業していた。また、やはり地元テレビ局であるKFORは、市当局が、Athlon Blockchainの敷地内の民間水道管にサービスを提供する消火栓が漏水の発生源であることを確認したと伝えている。

ただ、今回の漏水事故後に市が発表した声明によると、このデータセンターは2023年の設置工事開始後に「複数の火災安全および生命安全に関する規定違反、ならびに以前に発行された建築許可および電気工事許可の期限切れ」を理由に工事停止命令が出されていたという。

しかし市は今回、「まだ完全な確認は取れていないものの、Athlon Blockchainは使用許可がないにもかかわらず施設の建設を続け、操業を開始したと考えられる」と述べ、工事停止命令が定期的に見直されていることを確認するための作業を進めているとした。

そして、「今回の事件が示したように、市の指示や条例に従わないことは、壊滅的な結果を招く可能性がある」と述べ、「漏水箇所の特定と対処に費やした市の資源を含め、漏水事故に関連するすべての費用と経費を所有者から回収するために必要な法的措置を講じる準備を進めている」とした。

停止を命じられたにもかかわらずこのデータセンターの設置工事が続けられ、操業まで開始していたことが、ただ無知によるものなのか、知っていながら規制を無視する悪質なものだったのかはまだわかっていない。

ただ、明らかになっている状況からすると、施設を建設した企業が市当局との十分な協議を行わないままデータセンターを設置し、操業を開始した可能性がある。このデータセンターは通常の建物ではなく、輸送用コンテナをいくつも設置してその中に収容されており、そのような形態にすることで建築許可などを得る必要がなくなると考えた可能性もありそうだ。

データセンターによる水の大量使用に関しては、特にこの夏、北半球の各地で干ばつが発生したこともあって懸念が高まっている。今回のような無許可操業のデータセンターが他にもあるとは考えたくないが、米国の規制当局は同様の事例が起きることのないよう、既存の規制や監督体制を改めて確認するべきかもしれない

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