仕事や勉強、スポーツなど、必要なときに集中するための訓練に使えそう
集中力を計る「脳波モニタリングウェアラブル」予約受付開始。価格は約8万円

スマートウォッチやスマートリングといったウェアラブルデバイスが備えるヘルストラッキング機能は、多くが心拍数や歩数などを追跡・監視するものだが、スタートアップ企業Atlasが開発した「Atlas 1.0」は、ユーザーの脳波を測定し、そのときの「集中」の度合いを監視するという。
この脳波モニタリングデバイスは、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、UCLA、UCSFなどの研究機関や、Oura、Roku、Eero、Google、Amazonなどの主力製品開発に関わった業界の専門家らからなるチームによって開発された。
粘着パッドを使って耳の後ろに貼り付けることで、ユーザーの脳波、皮膚電気活動、頭の動き、発話活動をデータとして記録する。そして、このデータを専用のアルゴリズムで解析して、ユーザーの認知機能と注意力の動向を定量化するとうたっている。
通常の脳波計(EEG)の場合、被測定者は正確にデータを採取するために静止した状態でいることが求められるが、Atlas 1.0の場合は、ユーザーが何か他の作業のために動いたり、話したり、生活したりしている間の脳の電気活動を継続的にモニターできる設計になっている。
そのため、Atlas社は「脳が実生活にどのように反応するかを長期的に記録可能であり、単一のテストや単独の脳スキャンよりもはるかに有意義」だと説明している。

1日を通して測定されるデータはアプリ上でプレゼンス(自分の心の状態)、ストレス(どれだけの心理的プレッシャーを受けているか)、エネルギー消費量(どれだけ脳が働いているか)という3つの項目で確認することが可能だ。
これらのパラメーターの変化を、睡眠や運動、カレンダーのイベント、アクティビティ、旅行など生活におけるコンテキストや、ユーザーがタグ付けのために選択した入力項目に結び付ける。
さらに、Atlas 1.0は収集するデータを1日ごとに完結させるのではなく、時間の経過とともに、何がユーザーの状態を変化させ、何がその方向転換に役立つのかなどを学習するという。
注意が必要なのは、あくまでもAtlas 1.0は「ウェルネス製品」であり、医療機器ではないという点だ。そのため、測定できる脳波に関するあらゆる情報は、何らかの病状の診断や治療、予防などを目的として扱えるものではない。とはいえ、たとえばスポーツの試合前などに気をしずめ、集中力を高める訓練などには便利に使えそうだ。

現在予約を受け付けているのは「Atlas 1.0 Pioneer Edition」の初回限定生産分となる。出荷は現時点では2027年の第1四半期を予定しているが、価格は499ドル(約8万円)と決して安価ではない。また、このデバイス用のアプリや、交換用粘着パッドの入手には月額29.99ドル(約4800円)のメンバーシップへの加入が必要となる。
なお、Atlas 1.0がユーザーの音声からその特徴を捉えることについて懸念している人もいるかもしれない。しかし、Atlas 1.0が収集するのは音声そのものでなく、音声の中のパターンから特徴を捉えてデータ化するだけだ。これはその時点でのユーザーの状態を識別するために行われるが、音声を録音しているわけではないとのことだ。
