高級車のオーナーらが猛反発
BMW、車内にスパイダーマン広告を勝手に表示させて炎上

BMWが世界70か国以上で、「2020年以降のBMW車のうち、対応車種」の車載ディスプレイに映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(Spider-Man: Brand New Day)』のプロモーション用アニメーションを表示しており、大きな反発を招いている。
車のエンジンをかけると、スパイダーマンをテーマにしたバナーが表示される。これをタップすると、BMWいわく「祝祭的なアニメーション」と、消費者向けの「特別なサプライズ」と呼ぶ演出へ切り替わる仕組みだ。
アニメーションは車載オーディオやアンビエントライト(室内照明)とも連動し、映画を宣伝する内容となっている。また、映像には「BMW iX3 Flow – Spider-Man Brand New Day」も登場する。これはソニー/マーベルと協力して開発された特別仕様のコンセプトカーで、BMW独自のE Ink車体外装技術を採用している。
このディスプレイ広告は7月27日から8月10日までの期間限定で表示されている。対象は2020年以降の対応BMW車で、世界70か国以上で展開されているという。
BMW車は一般的に高価であり、アニメーションに登場するBMW iX3 SUVの価格は6万1,500ドルからだ。ロック画面広告と引き換えに安価に提供されるKindle端末とは話が違うとして、SNSや掲示板では反発の声が噴出している。
さらに、BMWグループのコネクテッド・カンパニー開発担当SVPであるステファン・デュラック(Stephan Durach)氏は、かつて車内ディスプレイへの広告表示を強く否定していた。同氏は2023年、「スクリーンを“コマーシャルを流すために売る”という考えは受け入れがたい。車内はプライベートな空間だ」と述べており、今回の施策はその発言と真っ向から矛盾しているように見える。
BMWは複数のメディアに対し、「より広範なブランドパートナーシップの一環」であり、アニメーションは「ドライバーが自発的にタッチスクリーンで起動した場合にのみ表示される」と説明している。ただし、ユーザーからは「そのアニメーションを起動するためのバナー自体が自動で表示される」との報告が寄せられており、実質的には押し付け広告と受け止められている。
BMWは過去にも、すでに車両へ搭載済みのシートヒーター機能を解放するため月額サブスクリプション料金を課そうとして炎上し、方針転換したことがある。今回の一件も、既存の顧客から少しでも余分に価値を搾り取ろうとする試みとして受け取られているようだ。
