最大35fpsで動作します
MSペイントにDoom移植。『DoomPaint』をAzureのCTOが開発中

すでにあらゆる電子デバイスに移植されてきた一人称シューティングゲーム『Doom』だが、また新たな移植例が登場した。今回は、ハードウェアではなくWindows標準のお絵かきソフトMicrosoft Paint(通称、MSペイント)のキャンバスをディスプレイ代わりして動作する『DoomPaint』だ。
『DoomPaint』は、特別なハードウェアは必要ではなく、Windows 11があれば誰でも試すことができる。Doomを動かすエンジンは1993年12月にid Softwareがリリースしたオリジナルのシェアウェア版『Doom』のものを使用し、OLEクリップボードをハックする格好で画面出力をMSペイント上に描き出す格好となっている。
しかも、この移植を行っているのがMicrosoft Azureの最高技術責任者(CTO)マーク・ルシノビッチ氏であるという点も、この移植プロジェクトの特徴のひとつだ。
DoomPaintは、Doomを使ったAI研究プラットフォームViZDoomを用いて、オリジナルのDOOM1.WADを実行する。また、シェアウェアに含まれていないエピソードはBSDライセンスで配布されている「Freedoom WAD」を使用している。
ルシノビッチ氏の説明によると、このプロジェクトではDoomの画面の各フレームがWindowsのクリップボードに描画され、MSペイントのキャンバスに貼り付けられる」という。解像度は320×200px、あるいは640×400pxで、PCの性能に応じて最大35fpsで描画することが可能だ。
ルシノビッチ氏は、比較的低いフレームレートも逆にDoomPaintの「魅力の一部」だと述べている。実際、この時代(1990年代)のPCゲームとしては、35fpsはそこそこ悪くないレベルの描画速度と言えるだろう。
ルシノビッチ氏はこのプロジェクトの配布物に含まれるReadmeファイルで「Paintはゲームをレンダリングするが、計算は行わない。Paintは何も計算しない。Paintはこれまで一度も何かを計算したことがない。そこがジョークなんだ」と述べている。現在、DoomPaintはGitHubで公開され、MITライセンスで配布されている。

ちなみにルシノビッチ氏は、1996年にリリースされたPCシステム情報ビューア兼ユーティリティアプリ「SysInternals」の開発者として知られ、2006年にマイクロソフトに加わってからは、SysInternalsをベースにWindows診断ツールを開発した。最近はAzureのアーキテクチャやセキュリティ、信頼性の向上に取り組んでいる。CTOという立場上、非常に多忙なはずだが、生粋の開発者というのは仕事を離れてもプログラミングを楽しむ生き物なのかもしれない。
- Source: GitHub
- via: Tom's Hardware
