以前のような不自然な加工ではなくなりました

NVIDIA、DLSS 5のAI補正を改善。「芸術的な意図」を重視

Munenori Taniguchi

Image:NVIDIA

NVIDIAは、ロサンゼルスで開催中のSIGGRAPHイベントで改善されたDLSS 5技術を改めてデモンストレーションした。

DLSSはNVIDIAの画質・フレームレート向上技術で、今年3月に発表したDLSS 5ではフォトリアルなライティングとマテリアルを融合して大きく画質を改善するとうたう新機能を発表している。

ところがこの新機能のデモでは、特にゲーム内の女性キャラクターがInstagramのフィルターのような、ゲーム内の脈絡よりも見た目を優先させているかのように見せてしまっている点がユーザーや一部開発者などから不評だった。

7月19日から23日にかけて開催されているコンピューターグラフィクス関連の国際イベントSIGGRAPHでは、この不評だった点を大きく改善し、ゲーム開発者の「芸術的な意図」を可能な限り損なわずに画質を向上するようにした、新しいDLSS 5が発表された。

同社は、新しいAI生成レンダリングツールが、元のレンダリングフレームと内部エンジンバッファを組み合わせて使用することで、本来のシーンに忠実なフレームを生成することを強調している。

NVIDIAは開発者に対し、DLSS 5で使用するモデルを3種類(描画の雰囲気が微妙に異なる)用意し、さらに各オブジェクトやシーンにおけるAIの出力強度を調整するためのスライダーやトグルスイッチなども多数用意した。これらの効果は、シーン内のオブジェクトごとに有効無効を設定できる。そのため、一部のアセットだけ画質向上のためにDLSS 5を適用するといった使い方が可能だ。

Image:NVIDIA
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また、動画生成モデルは通常、複数のフレームをまとめて処理するが、プレイヤーの入力に即座に応答する必要があるゲームのために、DLSS 5は因果関係に基づいて動作し、将来のフレームを参照することなく、1フレームずつ処理する。そのため、モーションベクトルやその他のエンジンデータから、フレーム間のちらつき、ズレ、揺らぎを低減しているという。

さらに、3月に公開されたデモンストレーションでは高価なGeForce RTX 5090を2枚同時使用して映像を作成していたが、現在では大規模な生成モデルから得た知見をもとに、より小型なワンステップのピクセル空間拡散変換機能を用い、制限なく画像や動画を生成するのでなく、レンダリングされた元のゲームフレームの見た目を改善することだけを目的として再設計されたとのことだ。

NVIDIAは現在も、DLSS 5が「効率的な」VRAM割り当てにより、単一GPU上で動作することを確認している最中だという。

平均的なPCゲーマーは依然としてRTX 3060やRTX 4060あるいはそれに相当するグラフィックカードを使用している。また高騰するGPU価格のため、DLSS 5の機能をフルに使うようなゲームを一般のPCゲーマーがプレイ可能になるには何年かはかかりそうだ。

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