メモリ高騰に加えてチップ製造コストも上昇

MacBook Neo、最大40%減産へ。AIブームでチップ確保できず

多根清史

Image:BadPixma/Shutterstock.com

iPhone向けチップを流用して低価格を実現したMacBook Neoは大きな成功を収め、アップルのノートPC全体の販売台数を約10%押し上げたとみられている。しかし現在は、A18 Proチップの供給不足により、生産台数が当初計画より最大40%少なくなる見通しだと報じられている。

今年5月には、著名ジャーナリストのTim Culpan氏が、MacBook Neoの予想以上の人気がアップルに難しい判断を迫っていると指摘していた。同社は当初、500万~600万台の生産を計画していたとされる。本来は6基あるGPUコアのうち5基しか有効化できない「ビニング版」のA18 Proチップを廃棄せず保管し、MacBook Neo向けに有効活用していたという。

しかし需要は予想を大きく上回り、アップルは生産目標を1000万台へ引き上げたとされていた。ただし、それだけ増産するにはA18 Proチップを新たに製造する必要がある。本来は廃棄予定だったチップを流用するよりコストは高くつくため、その負担をアップルが吸収するのか、それとも価格へ転嫁するのかが焦点とみられていた。

ところが、台湾DigiTimesの最新報道によれば、この目標は最大40%引き下げられ、年末までのMacBook Neoの生産台数は600万~700万台になる見通しだという。

理由は需要の減少ではなく、AIブームである。アップルのチップを製造するTSMCの生産能力はすでに限界まで稼働しており、高価なAIチップが優先されるため、MacBook Neoのような低価格製品向けプロセッサーの生産は後回しになっているという。

アップルは、A18 Proの生産を拡大してチップ1個あたりのコスト上昇を受け入れるか、それともMacBook Neoの生産台数を減らすかという選択を迫られた。同社はMacBookの利益率を維持するため、あるいは発売から数か月で再び値上げする事態を避けるため、後者を選んだとされる。

もっとも、この説明には違和感も残る。MacBook Neoは今年6月に世界各国で価格改定が行われており、すでに値上げ済みだからだ。まずAIブームによるメモリ価格の高騰を価格へ反映したうえで、その後にTSMCからチップ製造コストの上昇を突きつけられ、大幅な増産を見送ったという流れなのかもしれない。

いずれにせよ、MacBook Neoの品薄が続くことに変わりはない。日本のアップル公式ストアでは納期は約1週間となっているものの、世界的には入手しづらい状況が続いているようだ。

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