玄関先までの約15mを手伝います
ロボット犬「Spot」が荷物を配達? Boston Dynamicsが大手運送会社と協議中

ロボティクス企業のBoston Dynamicsは、同社のロボット犬「Spot」を、宅配用の荷物運搬用として、大手運送会社と協議していることを明らかにした。
また、荷物配送犬のコンセプトを示す動画も合わせて公開され、そのなかで背中に複数荷物を乗せたSpotが住宅の玄関先まで入って行き、ひとつずつ荷物を置いて帰ってくるSpotの姿が示された。
Spotが背負っている荷台はコンベア式になっているため、下ろしたい荷物だけをスムーズに玄関先に置いてくることが可能だ。
また、Spotのつま先は車輪になっているため、荷物の置き場が少々離れていても、ローラースケートを履いているかのようにスイスイと送り届けることができそうだ。
単純に思うのは、軽い荷物なら人がさっさと運んだ方が手っ取り早いのではないかということだ。だが、配送先によっては玄関前に番犬がいたりして、配達人がうかつに立ち入れないような場所もある。そんなケースではSpotは役に立ちそうだ。
Boston Dynamicsは、物流業界のコストの大半を占めるラストマイル配送のなかでも、ラスト50フィート(約15m)がもっとも自動化の難易度が高いと説明する。

そして、そのラスト50フィートの面倒なタスクをこなすようSpotを訓練することで、ドライバーの肉体的負担を軽減しつつ、より迅速かつより多くの荷物が配達可能になることが期待できると述べている。
そして今回、このデモ動画を公開した理由について、「ラストマイル配送の自動化をどのように拡大していくかを協議して詰めていくための物流パートナーを積極的に探しているためだ」とした。
なお、ラストマイル配送の自動化に関しては、数年前よりAmazonなどがドローンを用いた配送をテストしているが、いまだ正式な採用には至っていない。ドローン配送は離島などへの荷物輸送には適しているかもしれないが、住宅への配送では玄関先に荷物を置くことができず、庭の真ん中に置き去りにされていることが多い。
また箱に車輪が付いたような配送ロボットの場合は、配送先にたどり着く前に物珍しさから周囲の人々に邪魔をされたり、最悪の場合は壊されたうえに中身を持ち逃げされるといった問題も過去には発生している。その点、配送バンから玄関先までの輸送を担当するだけのSpotなら、十分に役に立てる可能性がある。
ただ、Boston Dynamicsも認めるSpotの最大の課題は、郊外の住宅地のように、きちんと構造化されていない環境における配送をどのように自動化していくかだという。そのような場所では、子どもが自転車で自由に駆け回り、お年寄りが犬を連れて散歩していたり、道を阻むようにゴミ箱が置かれていたりする場合があるのだという。
そのため、Boston Dynamicsは、当初はドライバーがSpotを遠隔制御して配送をこなし、その配送データを蓄積することで、地域ごとの配送ルートを確立し、将来の自動化実現に活用することを考えているという。
- Source: Boston Dynamics
- via: PCMag
