元々iPhoneユーザー層は出生率が低い高所得者層とかぶるという指摘も
iPhoneが米出生率低下の一因との新研究。「対面の恋愛減少・避妊情報が普及」と主張

米全米経済研究所(NBER)の新たなワーキングペーパーが、2007年のiPhone発売は米国の出生率低下に一定の影響を与えた可能性があると主張している。
米オンライン教育メディアGovFactsは、「米国の出生率が史上最低水準まで落ちている」という統計的事実を踏まえ、その主因について複数の仮説や研究成果を紹介している。その1つとして取り上げられたのが、米ミドルベリー大学の経済学者Caitlin Myers氏らによる論文「Is the iPhone Birth Control?」である。
同研究チームは、2007年のiPhone発売当初、米AT&Tが独占キャリアだった点に着目した。そして、電波カバー率の地域差を「自然実験」とみなし、iPhoneへのアクセスが早期に広がった地域と、そうでない地域の出生率の推移を比較している。
その結果、iPhoneへ早期にアクセスできた地域では、とくに若い女性の出生率が数%単位で有意に低下しており、2007~2011年の出生率低下の3~5割程度を説明できる可能性があるとしている。
研究チームが想定するメカニズムは、「スマートフォンの普及に伴い、対面で過ごす時間が減少し、交際やセックスの頻度が低下した」「ポルノ消費が増え、対面での関係の代替となった」「避妊・中絶に関する情報へのアクセスが向上し、望まない妊娠が減った」といった行動面の変化である。
研究チームは、iPhoneが唯一の原因だとは主張していない。その一方で、これらのデータは「現代のスマートフォンの導入が米国の出生率減少に大きな役割を果たしたことを示唆している」と述べている。
もっとも、この主張には無理があるとの指摘も複数のメディアから出ている。たとえば米9to5Macは、教育水準や収入が高い層ほど出生率が低いことは以前から知られており、その層はiPhoneユーザーとも重なるため、相関関係が見られても不思議ではないとしている。
さらに言えば、ワーキングペーパーは査読前の研究論文を早期に公開し、議論や検証を促すための暫定版に過ぎない。今回の論文についても、今後は推計手法や解釈に大きな修正が加えられる可能性があるため、査読を経た完成版を待ちたいところである。
- Source: Govfacts
- via: Android Headlines 9to5Mac
