3,584Whの大容量、定格3,000Wの大出力
首都直下地震、3日間の停電に備えるには。家族なら大容量必須、Jackeryポータブル電源「3600 Plus」検証

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近年、地震や台風などが多い。30年以内に首都直下地震が起こる可能性は70%とも言われている。そして内閣府の資料によると、発災直後は約5割の地域で停電し、1週間以上も電気が不安定な状態が続くという。
東日本大震災では、地震発生から3日間で全体の約80%の電力が復旧した。この実績から、最低でも72時間分の電力備蓄が防災の目標値として語られている。しかし「3日分」と言葉にするのは簡単でも、家族の人数分となると話が変わる。
停電への備えとして役に立つのが、大容量のポータブル電源。今回ご紹介するJackery(ジャクリ)の人気モデル「Jackery ポータブル電源 3600 Plus」は、3,584Whの大容量により、家族を守るためのポータブル電源として非常に頼もしいモデルだ。
3日間・5人分の電力備蓄は大容量が必須
筆者の家庭は、夫婦と娘3人の5人家族だ。長女が生まれた直後に東日本大震災が発生したこともあり、保存食や水などをちょっと多めにローリングストックするなど、多少は家族の防災対策を行っている。しかし電源の確保だけは、ずっと後回しにしていた。同じような方も少なくないだろう。
上述の通り、首都直下地震で想定される停電は3日間、場合によっては1週間とされる。家族5人で電源のない生活を続けることを想像すると、単に食糧をローリングストックするだけではどうにもならないことがわかる。

ポータブル電源があれば、調理家電を動かして温かい料理を作ることができる。炊飯器が使えれば米も炊けるなど、日常的に家にある食料も活用可能だ。温かい料理を食べられれば震災後のストレスを少しは減らせるし、非常食以外の選択肢もできる。
なお、停電が発生して家族3人で過ごす場合、1日あたり約1,000Whの電力が必要というデータもある。内訳は以下の表の通りで、スマートフォンの充電や情報を得るためのテレビ、食材を保存する冷蔵庫、そして照明などを最低限付けただけでもこれだけの電気が必要となる。5人でもスマホ充電の電力消費が増える程度といえそうだ。
| 用途 | 利用時間 | 1日あたりの消費電力 |
|---|---|---|
| 夜間の照明(10W相当×1灯) | 5時間(17~22時) | 50Wh |
| 32インチ液晶テレビ | 1時間 | 50Wh |
| 炊飯器 | 1日1回 | 160Wh |
| 冷蔵庫 | 1日 | 600Wh |
| スマートフォンの充電(3人分) | 1日2回 | 180Wh |
また、東日本大震災後のように、計画停電が行われる可能性もある。3,584Whの容量があれば、冷蔵庫やテレビなどの家電を気にせず使っても、1日3時間の計画停電であれば心配することなく過ごせるだろう。
| 家電 | 定格消費電力 | 3600 Plus単体での稼働目安※ |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 55W | 約50時間 |
| テレビ | 60W | 約36時間 |
| 電子レンジ | 960〜1,000W | 約2.6時間 |
| スマートフォン充電 | 29W | 約130回分 |
出力3000Wだから家電を同時稼働できる
ポータブル電源を選ぶ上で容量と同じくらい重要なのが、出力性能だ。3600 Plusの定格出力は3,000W。冷蔵庫(55W)と電子レンジ(1,000W)、炊飯器(最大1,400W)が同時に使える。停電時に「家電を選ばなければならない」というストレスが減る。

出力ポートはAC×5(うち1つはNEMA L5-30R)、USB-C×2(最大100W)、USB-A×2(最大18W)の計9ポートを搭載している。子どもたちのスマホやタブレット、夫婦のノートPC、家電など、一度に複数の機器を充電できる。
重さの課題を解決したCTB構造
3600 PlusはCTB(Cell To Body)構造を採用し、同クラス(約3〜4kWh級)の製品と比べて重量を約25%軽量化、外形サイズも約35%の省スペース化を達成している(同社調べ、2025年12月時点)。
その結果、本体重量は35kgに収まった。数字だけ見るとやや重く感じるが、キャスターと伸縮ハンドルを一体化した設計で、キャリーケースのように転がして移動できる。

リビングから玄関へ、寝室からバルコニーへ。持ち上げずに転がすだけで、必要な場所に動かせる。本体上部に両手で持つハンドルも装備しているので、大人の男性なら、数段ぐらいの段差であれば持ち上げて乗り越えることができる。

安全性の高いバッテリー、便利なUPS機能
子どもがいる家庭でポータブル電源を選ぶとき、安全性は外せないポイントだ。3600 PlusはLFP(リン酸鉄リチウム)電池を採用。一般的なリチウムイオン電池と比べて、熱暴走のリスクが低い。発火や爆発のリスクを最小化した電池として、長期保管が前提になる防災用途にも向いている。
稼働温度範囲は-20℃〜45℃で、真夏の倉庫内から真冬のガレージなど、保管環境を選ばず、安定した充放電が可能だ。充放電サイクル数は6,000回なので、もし1日に1回充放電しても、16年以上の耐久性がある計算になる。

さらにJackery独自技術(特許出願中)による自然放電抑制機能も備わっている。仮に防災グッズとして購入したまま数年放置しても、バッテリー性能は大きく劣化せず、災害時にすぐに使えるよう設計されている。
3600 PlusはUPS(無停電電源装置)機能を搭載している。これは停電発生から0.01秒以内に本体からの給電に自動切り替わる機能のこと。電子レンジとドライヤーなど、家電の同時利用によるブレーカー落ち対策にも使えるので、普段使いすることでメリットがある機能だ。
冷蔵庫や水槽のポンプ、Wi-Fiルーターや、HDDレコーダーなど、電源が途切れると困る機器を常時接続しておくことで、停電を意識しない使い方ができる。動作時の最大出力は1,500Wなので、接続する機器の合計消費電力がこの範囲に収まるよう確認した上で使おう。
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ソーラーパネルは長引く停電の保険
3600 Plusは大容量だが、停電が長期間続いた場合は心もとない。そのための保険として導入したのが、太陽光で充電できるソーラーパネルだ。今回は手軽に使える「Jackery SolarSaga 100W」を組み合わせて使ってみた。

SolarSaga 100Wは、IBCテクノロジーと両面発電を組み合わせ、最大25%の変換効率を実現している。表面だけでなく裏面からも発電できるため、曇り空や反射光の多い環境でも効率が落ちにくい。
折りたたみ時のサイズは610×552×35mm、質量は約3.6kg。持ち運びに大きな負担がなく、急な持ち出しにも対応できる。防水性能はIP68で、雨天時でも屋外設置が可能だ(端子部分を除く)。一般社団法人防災安全協会の防災製品等推奨品にも登録されている。
3600 Plusには、ソーラーパネル接続用DC入力ポートが2口備わっており、合計の最大ソーラー入力は1,000W。スペック上は、200Wのパネルを4枚接続すると最速6.5時間でフル充電できる。

スペック上の充電時間の目安は以下の通り。大容量の3600 Plusに使うとSolarSaga 100Wが1枚では、ゆっくりとした充電ペースになる。だが、長期間電力を確保できない災害時には、日中の晴れている時間に少しでも充電できるという安心感は確実に得られる。
| ソーラー入力 | フル充電目安 |
|---|---|
| 800W(最大) | 約6.5時間 |
| 400W | 約13時間 |
| 200W | 約25.2時間 |
| 100W(SolarSaga 100W 1枚) | 約50時間以上(参考値) |
| ACコンセント | 約3時間 |
充電性能を重視し、ソーラーパネルを置く場所が確保できるなら200Wの大型モデルがおすすめだが、マンションのベランダや戸建てのガレージならSolarSaga 100Wが手軽に設置できる。晴れている時間にサッと充電するのがおすすめだ。
容量・出力・安全性のバランス、ファミリー世帯の結論
ポータブル電源を購入するとき、小さいものを選べばコストは抑えられる。しかし3日間・5人分の電力となると、1,000〜2,000Wh台の製品では心もとない。
3,584Whは、家族全員が「我慢する」場面なく3日間を過ごすための現実的な容量だ。定格出力3,000Wにより、冷蔵庫と電子レンジを同時に動かし、スマホも充電できる。停電が長期化した場合は、ソーラーパネルがあれば少しずつ補充して延命できる。

Jackeryならサポート面でも安心だ。3600 Plusは公式サイトから購入すれば、3年保証に加えて2年の自動延長保証が付き(保証登録不要)、合計5年間の長期保証になる。故障時の修理対応、使用後の無償回収も用意されている。防災グッズとして長く持ち続けることを考えると、アフターサービスの手厚さは重要だ。
ポータブル電源は容量が増えると重くなるため、可搬性を考えると3600 Plusは上限といえるだろう。これ以上の容量を求めるなら複数台にするほうが良い。3600 Plusの場合、最大5台の拡張バッテリーに対応し、21.5kWhまで容量を増やせる。また、専用ケーブルで2台を連結することで200Vの家電にも対応できる。
停電への備えを一度に完結させたい、そのような5人家族の防災対策として、3600 PlusとSolarSaga 100Wの組み合わせは、非常に魅力的な組み合わせだと考えている。
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