首が疲れそうだけど、乗るのは楽しそう
“ライダー乗り”のように腹ばいで乗る電動トライク「Swerv」

現代の自転車を乗り方で分類すると、いわゆるママチャリからロードバイク、マウンテンバイクなどほとんどの自転車がサドルにまたがって前方のハンドルを握るスタイルのものだ。
だが、それとは別にまるでソファーに仰向けに寝そべるような姿勢で前方に投げ出した足でペダルをこぎ、ペダルの手前から延びるハンドルまたは身体の両サイドにあるスティックで操舵するリカンベント型自転車というものもある。
しかし、英国のスタートアップ企業Swerenが開発中の電動三輪自転車「Swerv」はそのどちらでもなく、まるでプールサイドによく置かれているあるサマーベッドに、前2輪後ろ1輪の3つの車輪を取り付けたような奇妙なスタイルをしている。
この特殊な電動三輪は腹ばいで乗るように設計されており、1輪しかない後輪を足で挟むように膝を乗せ、前輪の車軸当たりに手を置いてハンドル操作を行うようになっている。そのライディングフォームはまるで、(たとえが古くて申し訳ないが)仮面ライダーが愛車サイクロン号のシートに腹ばいに乗って高速走行する、俗に言う「ライダー乗り」を思い起こさせる。
腹ばい状態のまま前方を見るには頭を持ち上げなければならないため、Swervで長距離・長時間の移動は厳しそうだが、この電動トライクを考案し、開発に携わっているケリム・タスキン氏は、試乗したライダーの口を突いて出てくるのは「楽しい」「爽快」といった類いのものばかりだと述べている。
乗車位置が低いため、ライダーには地面すれすれに感じられ、また進行方向に向かって頭部が前になるためスピード感は、一般的な自転車とはまったく異なるはずだ。

現在、Swervは3つのモデルが制作されている(いずれもプロトタイプ)。最初のモデルは、フロントに手こぎ用クランクを備えた電動アシストバージョンで、ライダーのクランクを回すのに合わせて350Wのハブモーターがアシストし、最高速度25km/hでの走行を可能とする。モーターは48V/13Ahのバッテリーを搭載しており、充電1回で19~24kmの走行も可能だ。
また、フレームは軽量なアルミ製で、体重移動で右左折するためのリーン・トゥ・ステア機構を搭載している。前輪にはポリウレタン製ショックアブソーバー、後輪には油圧式ディスクブレーキを備えるほか、前後左右にLEDのライトを装備する。
このモデルは、製品化に向け準備中で、現在99ポンドの手付金を支払うことで予約注文が可能。ただし、価格総額は4,990ポンド(約106万円)もするため、よほどこの電動三輪車が気に入った人でなければ手出しはしにくいかもしれない。

2モデル目は、オフロード走行想定するモデルでスロットル操作のみに割り切った車両となっている。標準装備のモーターは出力1,000Wで、ダート用のブロックタイヤも履いている。ステアリングはハンドルバー式だ。車重は38kgと、最初のモデルより1kg重い。価格は3,490ポンド(約74.5万円)。

3つめのモデルはちょっと冒険心溢れる仕様で、長さ調節可能な粉体塗装ステンレススチールフレームに後輪ドラムブレーキ、1,000Wモーターを搭載し、最高速度は48km/hも出るという(速度制限設定が可能)。バッテリーによる航続距離は約19kmとなっている。重量は43kgで、価格は2,299ポンド(約49万円)だ。
タスキン氏は、自ら最初の公道走行が可能な電動アシストバージョンを実際に通勤のために試用してみたが、乗ってみたいと思う人に対しては、「交通量の多い場所や曲がりくねった田舎道での使用はお勧めできない。路上でのテスト走行では、道路を走る他の車両からきちんと見えたりすることに問題はなかったが、自動車のドライバーなどが十分に注意を払わなければ、常に安全とは限らない」と述べた。
そして、もっと「Swerv」の安全性を高めるために、フラッグやLEDバーを装備することで車体を目立たせるための工夫をすることを提案しているとのことだ。

