新星爆発が起これば肉眼でも見えます

約80年周期で“爆発的に輝く”かんむり座T星、まもなくそのときが来るかも

Munenori Taniguchi

Image:NASA, Goddard Space Flight Center

夜空に瞬く恒星のなかで大質量のものは、その寿命の終わりに大規模な爆発を起こして明るく輝く、超新星と呼ばれるようになるものがある。その爆発現象は超新星爆発と呼ばれ、よく知られた現象だ。

一方、超新星とよく似た現象に、白色矮星の表面で一時的に大きな爆発現象が発生し、普段とはケタ違いに明るく輝く現象がある。その状態の星は新星と呼ばれる。

新星とは、赤色巨星と白色矮星が近接する連星系が大きな爆発を引き起こすことで明るく輝く現象だ。白色矮星の強い重力が、赤色巨星の表面から水素ガスなどの物質を引き剥がし、次第に蓄積していくと、ある時点で白色矮星の表面に圧縮されると核融合反応を起こして爆発する。これが新星と呼ばれる現象で、さらにこの現象を周期的に繰り返すのが反復新星と呼ばれる(再帰新星、回帰新星とも呼ばれる)。

この反復新星のひとつが、まもなく夜空に現れるかもしれない。地球から見て、かんむり座の方向約3000光年の彼方にある「かんむり座T星(T Corona Borealis)」は、これまでに1866年と1946年に新星爆発と考えられる増光があったと記録されている天体だ。

かんむり座T星は、過去の記録から約80年の周期をもつ反復新星と考えられている。最後の爆発から2024年で80年を迎えるため、2024年当時には一時新星爆発が見られるかもしれないと言われた。

だが、それからすでに2年近くが過ぎてもまだ、その現象は起こっていない。NASAによると、かんむり座T星のような周期的に発生する新星は極めて稀で、天の川銀河全体でわずか5個しか確認されていないという。またその増光時期も、数年のズレがあってもおかしくないとのことだ。

つまり、予想された2024年には増光現象はみられなかったが、現在はかんむり座T星がいつ明るく輝きだしてもおかしくはないと言える。パリ天文台のジャン・シュナイダー氏はいくつか予想される増光時期のひとつは、2026年6月25日ごろだと研究論文に発表していた

Image:NASA, JPL-Caltech

かんむり座の位置は、地上からはヘラクレス座とうしかい座の中間近くに見られるという。もしこれが新星爆発を起こせば、普段は10等級程度のこの星が、突如2等級(北極星と同等の明るさ)ぐらいに増光すると言われている。そうなれば、市街地の夜空でも肉眼で確認することが可能になるはずだ。

ある程度の倍率を持つ双眼鏡や望遠鏡があれば、さらにはっきりと観測できるだろう。もし写真に収めたいのなら、100〜200mm程度の望遠レンズを使えば可能だと国立天文台は説明している

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