買うなら今のうち?
MSIの新携帯ゲーミングPCは約29万円、でも「まだ値上げ余地ある」

今月初め、MSIは携帯型PCゲーミング機「MSI Claw 8 EX AI Plus」を発表し、公式オンラインストアでの直販価格が1799ドル(約29万円)になると明かした。これは同社が海外メディアに語っていた「だいたい1500ドル」を大きく上回るもので、Steam DeckとROG Xbox Ally Xをまとめて購入できるほどの価格である。
この件について、MSIのプロダクトマーケティングリーダーであるアンディ・チュウ氏は、「メモリとストレージが高騰しているため仕方がない」との趣旨を述べたうえで、「まだ値上げの余地がある」とさえ付け加えている。
本製品は、インテルの新Arc G3 Extremeプロセッサーと32GB RAM、1TB SSDを搭載するなど、かなりハイエンド寄りの構成だ。さらに大型ディスプレイや強力な冷却ファン、エルゴノミクスを重視したボディなどを備えており、一部では「携帯ゲーム機市場の絶対的なピーク」と呼ぶ声もある。とはいえ、そのぶん価格も市場の “天井クラス” となっている。
ゲームメディアFRVRのインタビューでチュウ氏は、本製品をできる限り手頃な価格にしようと最善を尽くしたものの、部品コストの上昇がそれを困難にしたと説明している。
「本当に厳しい年だと言わざるを得ない。インテルにとっても、とくに我々のようなOEMにとってもだ。なぜなら、メモリやストレージといった重要部品の価格上昇を、我々も受け入れなければならないからだ」と語った。
さらにチュウ氏はSteam Deckを引き合いに出し、かつては「価格的に非常に手を出しやすく、あまり考えずに買えた」が、今ではSteam Deckも高価になったと指摘。そのうえで、「この新しい携帯ゲーム機がどこまでのポテンシャルや性能を提供できるのか、今こそ見るべきタイミングだ」と述べており、価格の高さは性能面で正当化できると示唆しているようだ。
また、市場の先行きは不透明だとしつつも、「もう一度値上げする余地はあると見ている」と発言。現在の1800ドルですら、将来的に振り返ればまだ安かったと言える可能性をにじませている。さらに踏み込んで解釈すれば、「不当に高価ではないし、買うなら今しかない」というメッセージとも受け取れそうだ。
そしてチュウ氏は、「残念ながら、結果はいま目に見えている通りだ」と表現し、「我々にとってもゲーマーにとってもタフな1年になる」と認めている。
チュウ氏によれば、AIブームによる需要拡大でメモリやストレージ価格が今後数年にわたり上昇すると見込まれるなか、「なぜ今このタイミングでインテルとMSIが携帯ゲーム機を発売するのか」という質問を数多く受けたという。それでも同社は、より高性能なマシンを求め続けるパワーユーザーの需要が存在すると判断したようだ。
もっとも、携帯ゲーミングPCは「PCゲーム環境一式を手軽に揃えられる」ことが大きな魅力の1つである。一方で、性能を最優先するパワーユーザーであれば、同じ予算をデスクトップPCへ投じる可能性も高そうだ。インテルとMSIの判断が正しかったのかどうかは、今後の販売実績を見守りたいところである。
