Starlinkはややリスクあり

中国製ロケットが軌道上で爆発か、多数のデブリ発生もISSにほぼ影響なし

Munenori Taniguchi

Image:CCTV/YouTube

中国は6月9日、Zhuque 2Eロケットを打ち上げ、2基の通信衛星の軌道投入を実施した。投入は順調に完了し衛星も無事に稼働したが、その後ロケット上段が大気圏に再突入するための燃料噴射を行うはずだったタイミングで、機体が100~150個ほどの破片に散逸した模様だ。

この現象は米宇宙軍も確認しており、軌道データを一般に公開するために使用しているウェブサイトspace-track.orgへの投稿でその事実を認めた。

宇宙軍は現在「追跡された物体は、宇宙飛行の安全性を確保するための定期的な接近評価に組み込まれている」と述べ、「現時点で有人宇宙飛行に対する脅威はないが分析は継続中だ」とした。

爆発あるいは何らかの理由により破裂したと見られるZhuque 2Eロケット第2段は、もともとは全長約8m、直径約3.35mという大きさだった。このロケット本体上段はデブリ化する前、赤道に対して54.5度の軌道傾斜角で、高度335キロメートルから424キロメートルの間を周回していた。

これは国際宇宙ステーション(ISS)の軌道とわずかに重なっているが、この高度には希薄ながらもまだ大気があり、その抵抗によって推進力を持たないデブリの類いはすぐに大気圏へと引き寄せられるため、ISS上の飛行士らへの影響はないと考えられる。

Image:JAXA, NASA

一方、ISSよりも高度の低い位置にある数百のStarlink衛星などは、発生したデブリとの接触などのリスクが可能性として考えられる。デブリのすべてが大気圏に落下して消滅するまでには、今後数か月ほどかかる模様だ。

かつては、打ち上げが済み目的を果たしたロケットはその場に放置されることが珍しくなかった。だが現在は、用済みとなった宇宙機は大気圏に落下させて焼却処分する(あるいは墓場軌道と呼ばれる非常に高い位置へ移動させる)ことが当たり前になり、そのための燃料も搭載して打ち上げるのが国際的なルールとなっている。しかし中国に関しては、現在も統計データ上、軌道上に放置される宇宙機の数を増やしている。

軌道情報企業LeoLabsの上級技術研究員であるダレン・マクナイト氏は「低軌道におけるロケットの破壊事象は、その上位4件のうち3件が中国に起因しており、2件は過去4年の間に発生したロケット本体の爆発によるものだ」と述べている。

その2件とは、具体的には中国が米国のStarlinkに対抗するためのメガコンステレーションの打ち上げに使った長征6Aロケットの第2段のことだ。このロケットは2022年と2024年に、衛星の軌道投入後に爆発し、数百から1000個近いデブリを軌道にばら撒いた。

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