期待の新モデル「Osmo Pocket 4P」も体験

DJIの本拠地「Sky City」を訪問。“地上105mの吊り橋”がある深圳のランドマーク

編集部:平山洸太

「DJI Sky City」

ドローンや、ジンバルを始めとした映像機器などで知られるDJI。その本社は中国のシリコンバレーとして知られる深圳にある。今回、その本社ビル「DJI Sky City」がメディアに公開された。なお、日本のメディアを集めるのは今回が初めてになるという。

DJIは2006年設立の企業で、ドローンやジンバル、手持ちの映像機器などを100以上の国と地域で展開している。創業初期から飛行制御機構などを開発し、2012年には世界初のカメラ一体型のドローン「Phantomシリーズ」を投入。それ以降、ドローンで培った技術をアクションカメラやプロ向け映像制作機器などに展開し、2025年にはそのノウハウを家電に移行させてロボット掃除機にも参入した。

DJI Sky Cityは、2つの超高層ビルで成り立っており、ビルの間は吊り橋(ブリッジ)で繋がっている。その特徴的なデザインから、深圳のランドマークのひとつにもなっているそうだ。夜にはビルがライトアップされ、昼間とは違う姿を見せてくれる。中国語のネーミングは「天空之城」であり、『天空の城ラピュタ』から着想を得ているとのこと。

夜の「DJI Sky City」

現在の本社ビルが運用開始されたのは2022年9月で、まもなく4年を迎える。設計はイギリスの建築事務所のFoster + Partnersが手掛けたが、DJIのエンジニアも関わっており、このビルも「DJIが生み出した一つのテクノロジー製品」と言えるそうだ。竣工は6年がかりで、建築中は「世界で最も期待される建物のトップ10」にも選ばれたという。

建物は非対称吊り下げ式の鉄骨造で、ガラスのボックスを吊り下げたような構造となっている。2つのビルはどちらも高さ200m以上。営業部門のT1と開発部門のT2に分かれており、6000名以上の社員が勤務している。なお、建物はガラス張りのため、特に重要な機密を扱う開発部門ではカーテンを使うなど、外からドローン等で盗撮されることに警戒しているという。

今回の見学は、これから発表予定としてアナウンスされている、小型ジンバルカメラの新製品「DJI Osmo Pocket 4P」の登場を前にしたタイミングであり、事前の製品説明も実施された。また、日本では未発表のロボット掃除機「DJI ROMO 2」の製品説明もあわせて行われた。

「DJI ROMO 2」

残念ながら、現時点で明らかにできるのは外観と、「17ストップダイナミックレンジ」「D-Log 2」「1インチCMOSセンサー」という仕様のみ。さらなる詳細については正式発表のタイミングを待ってほしい。なお、現地では先行して実機を試すことができた。撮影データは公開可能だったので、試しに本記事の写真は全てDJI Osmo Pocket 4Pで撮影してみた(色調等の補正はしていない)。

「DJI Osmo Pocket 4P」

さて、ビルの1階部分にあるエントランスを入ると、枯山水の庭園が目に入る。黒松は樹齢100年以上。最先端のテクノロジーと禅を大切にすること、そして訪問者との一期一会を大切にするという意味も込めているという。なお、左右対称になるように2つのビル両方に庭が置かれている。

エントランスにある庭園
エントランスの天井はガラス張りになっている

また、1階部分にはビジターセンターが設けられ、ここにはDJIのブランドショップもある。DJIの各製品の展示はもちろんだが、オリジナルのTシャツを始めとした、 ここでしか買えないアイテムも多数取り揃えられている。DJIファンの方は深圳に来たらぜひ足を運んでみてほしい。営業時間外で入れなかったが、T1の1階にはカフェもあった。

ブランドショップ
限定グッズを多数用意

余談だが、エスカレーターで地下に降りた先には、社員食堂が設けられていた。同時に3000人が利用できるという広大な空間だ。昼食だけでなく、朝食と夕食の時間にもオープンしており、一日の食事を全てここで賄うこともできる。とはいえ全員がここで食べるのではなく、デリバリーを利用したり弁当を持ってきたりする社員も多いという。

社員食堂

見学では普段は入れないエリアにも入ることができた。まずは吊り下げられているキューブの上にある庭園で、社員がリフレッシュするための憩いの場となっている。キューブ上にはいくつもの庭園が設置されているが、なかには社員の子どもを預かる保育園の庭として利用されている場所もあるようだ。

社員が休憩するために作られた庭

エレベーターはタッチパネルで操作する仕様で、乗る前に目的の階を入力する必要がある。1つの場所に2基のエレベーター(かご)を設置することで、空間を効率的に使っているという。細かい部分だが、エレベーター内の操作パネルの上側にはディスプレイが設置され、DJI製品のプロモーション映像が流れていた。

エレベーター内部も統一感にこだわっている
エレベーターの操作パネル。写真では写っていない下側に、数字の入力がある

2つのビルをつなぐブリッジも渡ることができた。このブリッジは90mの長さがあり、地面からの高さは105m。台風にも耐える設計とのことで、複数人で歩いていてもあまり揺れず、しっかりとした造りに感じられた。覗き込まないと下側が見えづらいためか、それほど怖さは感じない。また、ブリッジの根元部分には水盤が設けられており、ここでも禅の要素が感じられた。

これがブリッジを近くから見た状態

今回見学したエリアでは、多くの場所でシルバーのパネルが壁面に貼られ、視覚的なノイズの少ない内装だと思った。トイレや消火栓の案内も含めてあまり色を使っていない。DJIの製品やストアにも通ずる “まさにDJI” と言えるような雰囲気で統一感があり、デザインに対するこだわりの強さを感じた。

エレベーターホール

また、特別にラボを見学することも許されたが、その内容については口外NG。この記事でレポートすることができないのは残念だが、見学を通してDJIの製品に対する、品質と信頼を高いレベルで追求する姿勢が感じられた。

DJIのお膝元ということもあり、市内には同社のフラグシップストアも用意されている。ここでは一般向けの製品だけでなく、映画撮影向けのカメラ「DJI Ronin 4D」や運搬ドローンなど、普段店頭には並ぶことのない製品も見ることが可能だ。建物は4階建てで、3階にはグループのカメラブランド、ハッセルブラッドの製品も展示されていた。

DJIのフラグシップストア
数多くの製品が展示されている
907X & CFV 100C

深圳には数多くのグローバルな大企業の本社が集まっており、特徴的で個性的なビルも多い。その中でDJI Sky Cityは、同社がランドマークと説明しているように、遠くから見ても分かるほどの存在感があった。ビル内部には通常は入ることができないが、上述の通り1階には限定品を買えるショップがあるので、深圳に訪れた際は目的地に入れてみても良さそうだ。

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